「チーム一丸となって、56大会ぶりの甲子園出場を目指す富山北部高校。2年連続で決勝で涙を飲んだ悔しさをバネに、今年こそは優勝を」と誓う選手たちの闘志が燃えている。

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2年連続の決勝敗退、今年こそ雪辱を

夏の高校野球富山県大会の優勝候補に名を連ねる富山北部高校。粘り強い野球でここ数年、着実に力をつけており、56大会ぶりの甲子園出場を目指している。

去年の夏の県大会では2年連続で決勝まで進出したものの、強豪・富山商業に立ちはだかられた。7回までリードしていたが終盤で富商打線に捕まり逆転負け。掴みかけた甲子園の切符を2年連続で手放す悔しい結果となった。

この敗戦を受け、富山北部は打倒富商を誓い、下級生を含めたチーム力の強化を図ってきた。

エース船屋投手が進化、体重5キロ増の鍛え上げた左腕

笹野祐輔監督が「夏の大会に関しては3年生がキーマン。エースの船屋が中心」と絶大な信頼を寄せるのが、この夏背番号1番を背負う左腕・船屋侑理投手だ。多彩な変化球と落ち着いたマウンドさばきが持ち味の船屋選手は、夏の大会に向けて下半身を重点的に強化。体重も5キロ増やした。

「まずはしっかり下半身を鍛えて土台を安定させて、そこから上半身。ウエイトや走り込みをしてきた」と船屋投手は語る。

今年の春季大会では、準々決勝でライバル富商と対戦。先発した船屋投手が延長10回1失点の完投で勝利をもたらし、夏の雪辱を一部果たした。

「去年も一昨年のエースも自分の投球を貫いて全部全力で投げていたので、自分もそれを見習って全力で投げ切ってチームを勝たせられるような投球をしたい」と意気込みを見せる。

4番山岸選手を中心に打線も強化、「団結力」が最大の武器

船屋投手とバッテリーを組み、打線で援護するのが4番の山岸寛大選手だ。春の大会で決勝に進出する勝ち越し点をあげるなど勝負強さが光る。

「今調子上がってきている。キャッチャーでは周りにしっかり指示出して盗塁させたい、バッティングではチームをしっかり引っ張っていけるようなバッティングをしたい」と意欲を見せる。

チームの課題だった打線は、芯で捉えることを意識した練習で打率が向上。山岸選手を中心に切れ目のない打線に仕上がってきている。

3年生バッテリーがチームを牽引し、下級生のレベルを引き上げてきた富山北部。今大会ベンチ入り20人中14人が下級生という構成だが、チーム一丸となって臨む体制が整っている。

山口照太主将は「下級生が多い。3年生が思うように試合に出られない。ベンチの雰囲気づくりは3年生が主体。みんな野球が好き、点が入ったら心から皆で嬉しがって戦っているチームなんで雰囲気がいい」と語り、「団結力」が最大の魅力だと強調する。

笹野監督も「いち監督ですけど、長い時間一緒の時間を過ごしてきた。1番の応援者だと思っている。少しでも彼らの力になれればいい」とチームへの思いを語る。

悲願の甲子園へ、先輩たちの思いを受け継いで

2年連続で甲子園まであと一歩まで迫った先輩たちの悔しさと熱い思いを受け継ぐ今年の3年生。夏、悲願の優勝へ準備は整った。

「先輩の姿を見てきてどれだけ難しいのか理解している。自分たちの代で勝ち切りたい。チーム目標である『甲子園で1勝』という目標を達成するためにチーム全員で戦いたい」と山口主将は決意を示す。

56大会ぶりの甲子園出場という大きな目標に向け、富山北部高校の挑戦は始まっている。

富山テレビ
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