7月9日から開幕する夏の高校野球新潟大会。球児たちの熱戦が期待される中、新潟の野球を専門に取材する新潟野球ドットコムの岡田浩人代表に今大会の展望を聞いた。

新潟県大会は本命不在!「私立・公立で力の差があまりない」

「大本命が不在というか、私立高校と公立高校の力の差が近年になくあまりない大会。そういう意味で非常に混戦、優勝争いの行方は本当に分からない」

新潟野球ドットコム 岡田浩人 代表
新潟野球ドットコム 岡田浩人 代表
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本命不在の群雄割拠の様相となると予想したのは、新潟野球ドットコムの岡田浩人代表だ。ブロックごとに注目のチームや試合について聞いた。

【Aブロック】第1シードは中越関根学園と日本文理も早速激突

第一シードに春の県大会の覇者・中越が入ったAブロック。

中越について岡田代表は「春の優勝校・中越高校は非常に投打がまとまっている」と評価。中でも注目はエースの雨木だという。

「エースの雨木選手が非常に安定している。この冬、変化球のコントロールが低めに集まるようになり、連打を受けない安定したピッチングを春の県大会、北信越大会で見せた。北信越大会で福井代表の敦賀気比に県勢としては12年ぶりの勝利を挙げたが、その立役者が雨木投手。今大会を引っ張る投手だと思う」と話す。

また、このブロックの注目試合に挙げたのは、私学の強豪・開志学園と日本文理のカードだ。

今春の大会でも対戦し、1点差で日本文理が逆転勝ちしたが、力の差は互角だという。

「開志学園は身長188cm、最速144キロのエース、小池投手が注目されている。ノーシードから甲子園を目指す日本文理にも注目」

【Bブロック】第4シードに関根学園 初戦の相手・糸魚川は公立屈指のチーム

春の北信越大会で勝利を挙げた関根学園が第4シードのBブロック。

関根学園の注目は大型キャッチャーの池田栞太。岡田代表は「今年の大会はキャッチャーに注目選手が多いが、その中でもプロスカウトが注目しているのが関根学園の池田捕手。非常に肩が強い。春の県大会では2本の本塁打を放っていて長打力もあり、体も大きいキャッチャー」と話す。

身長185cm体重92kgの大型スラッガーがチームの打線をけん引する。

その関根学園の初戦の相手は公立校の中でも実力のある糸魚川。「糸魚川は山岸投手、中澤捕手という県内でも注目される強力なバッテリーを有する」

この初戦のカードにも注目だ。

【Cブロック】第2シードは北越 開幕戦は私学対決 昨年王者の新潟産大付属など群雄割拠

第2シード北越が入ったCブロックも強豪が集まるブロックとなった。

岡田代表は「北越の注目はエース左腕の手戸投手。球のキレと制球力がある投手だが、春の県大会でも完投能力があったほか、試合の終盤に登板して締めくくるという力もあった。体は大きくないが、キレのある球を投げる安定感のある投手」と注目点を説明。

130キロ台の直球と多彩な変化球が武器の手戸投手を中心に初の甲子園を目指す。

また、注目カードは、開幕試合の新潟青陵と加茂暁星の一戦。私立高校同士で、勝った高校が北越と対戦する。

また、去年の優勝校・新潟産大附属は今夏もノーシード。初戦で好投手擁する新潟県央工業と対戦する。

【Dブロック】第3シードは新潟明訓 昨夏準優勝の帝京長岡も

新潟明訓が第3シードのDブロック。岡田代表が注目する選手は新潟明訓の権平幸太郎選手だ。

「1年生の頃からレギュラーを張っていて、強打・堅守で注目の選手に挙げられると思う」

同じブロックには昨夏準優勝の帝京長岡も入った。

そして、一昨年の優勝校・東京学館新潟と村上桜ヶ丘の初戦にも注目だという。

「タイプとしてはどちらもピッチャーが良く、守りからリズムをつくるチーム。村上桜ヶ丘は左右の投手が非常に安定している。東京学館新潟は投手陣が強力。守り合い、投手の投げ合いが緊迫したゲームになるのではないかと思う」

また、近年安定した成績を残している長岡高校にも注目だ。

第5シードで注目は新発田農業

岡田代表が注目する第5シードは昨秋・今春ともにベスト8に進出した新発田農業だ。

「四半世紀ぶりの甲子園出場を目指す新発田農業だが、非常に強力なバッテリーを有し、チーム力も高い。公立の中で上位の力を持っていて、勝ち上がり方によっては勢いをつけて一気に駆け上がる力を持っていると思う」

注目は遠山・池上のバッテリー。

「注目はエースの遠山。140キロに迫るストレートは非常にキレがある。キャッチャー池上選手もホームランを量産していて、このバッテリーを中心に勝ち上がり、5年ぶりの甲子園出場を狙うチーム」

そして、注目の優勝争いについては「優勝争いの軸となるのは春の県大会の覇者・中越、そして秋の県大会王者・新潟明訓、そして春の北信越大会で勝利した関根学園、春の県大会準優勝の北越。この4校を中心に優勝争いが展開されると思うが、私立と公立の力の差がない大会だと思う。初戦から好カードが目白押しなので、ぜひ球場で球児たちの一挙手一投足、プレーに注目して、選手たちに声援を送り、試合の目撃者になってほしい」と9日から始まる熱戦に期待を寄せた。

夏の高校野球新潟大会は7月9日に開幕。決勝は7月26日に行われる予定だ。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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