石破首相は、安倍晋三元首相が参院選の応援で遊説中に銃撃され死亡した事件から3年となった8日、事件現場の奈良市を訪れ慰霊碑に献花した。
石破首相は記者団に対し「もうあれから3年経ったんだなということ、この慰霊碑、留魂碑と言うが、高市早苗議員はじめ多くの安倍さんを慕う人たちによって、建てられたと承知している。やはり、ああいう卑劣な犯行、ましてや主権者の大事な権利の行使の時である参議院選挙の最中に暴力によって、それを妨げるようなことは何があっても許されることではない、最も強い言葉で非難をしなければならないことだと思っている」と述べた。
その上で、安倍元首相について「安倍さんがやりたかった憲法の改正、あるいは自由で開かれたインド太平洋、全世代型社会保障の確立、地方創生、いろんなことを成し遂げてこられたし、まだまだやりたかったことがたくさんあると思っている」と語った。
そして「天上からこの日本国、今、極めて内外共に厳しい情勢であります。どうか、この日本国というものを見守り、ないしお導きいただきたい。私自身、安倍さんと一緒にいろんな仕事を共にさせていただいた。この国の行く末にもどうかご加護あらんことを心からお願いした」と述べた。
また、首相の立場となって、安倍元首相について思うことについては「8年8カ月というこの長い期間、この国の命運を必死に願うということが、いかに心身ともに大変なことであるかということ、それを(首相に)なってみて私の痛感するところだ。本当によくこの国を率いてこられたし、その心身、大きなご負担があっても、それを顔に出さず、職務に邁進するということも立派と思うところだ」と思いを馳せた。
安倍元首相を銃撃した山上被告に対しては「民主主義というものを暴力によって破壊する、言論というものを妨げるということは、最も強い言葉で非難されていると思っている。司法をもって適切な判断がなされることだ」と語った。