学歴詐称問題に揺れる伊東市の田久保眞紀 市長が7月7日に会見を開き、市長の職を辞した上で出直し選挙に立候補して信を問う考えを明らかにしました。会見の全文は以下の通りです。

市民に伝えたい4つのこと

伊東市・田久保眞紀 市長:
この度は私の学歴に関する問題でたくさんの市民や関係者に大変ご迷惑おかけした。深くお詫び申し上げたい。本当に申し訳ございませんでした。

6月以降の私の状況を踏まえて私から市民にお伝えすることは4つある。まず東洋大学卒業の学歴について、卒業証書の今後の捜査、市長としての進退、市長選について。

結論から申し上げると東洋大学を卒業していなかった。除籍になっている。除籍になった日付は、在学期間証明書を取り寄せて土曜日に到着したが1992年3月31日となっている。市の広報いとうに東洋大学法学部経営法学部卒業と記載されていたことについては、事実に反する記事であることを認める。広報は担当課で記事を作成するにあたり私に確認があり、卒業という記載をすることを認めていた。私は6月28日に(東洋大の)教務課窓口に出向いて「除籍である」という事実を確認するまで卒業していると考えていたからである。

卒業証書の調査について

伊東市・田久保眞紀 市長:
この証書については卒業アルバムと在籍期間証明書、私の上申書とともに静岡地検に提出することにした。卒業証書は検察で捜査の対象として調べてもらう。よって卒業証書の調査の結果は検察の捜査にすべてお任せしたい。

市長としての進退について

伊東市・田久保眞紀 市長:
私は地検に上申した後、必要な手続きを終えたら速やかに辞任したいと考えている。地検に上申するには手続きや書類の作成でそれなりの期間がいると思うが、可及的速やかに行いたいと思っている。

その間、並行しながら市民に迷惑がかからないように市長としての仕事をして、引き継ぎや事務を行いたい。地検への上申が済んだら極めて短期のうちに辞任をする。

出直し選挙について

伊東市・田久保眞紀 市長:
一度きちんと辞任をして自分の進退を決めさせていただいた後に改めまして市民の判断を仰ぐために、私は再度市長選に立候補したいと考えている。市民や関係者には多大なる迷惑をおかけした。もう一度お詫びしたい。本当に申し訳ございませんでした。

ただ、私としてはみなさんの気持ち「伊東を変えたい」「変えていくんだ」という気持ちで私を選んでもらった。そこに対しては最後まで私にできるすべての方法を懸けてお応えしたいと考えている。決断に至るまでには悩んだが今は進退を決め、もう一度みなさんと伊東を変えるために誠心誠意進んでいきたい。

代理人弁護士による補充説明

阿部・吉田・三瓶法律会計事務所
福島正洋 弁護士:
捜査対応について刑事告発されていて刑事事件になるが、関連する重要な証拠物として在籍証明書、卒業アルバム、証書の3点があるが、私が職責として事務所の金庫で保管している。流出したり紛失したりしてはいけないため。今後は検察官が管理するのが筋だろうと思う。例えば隠したり破棄したりするのは当然許されない。

弁護士が委託を受けて、依頼者からの委託物は法的に捜査機関から押収されない権利があるが、絶対出さないと突っ張っても良かったが正々堂々すべて提出して司法の判断に仰ぐ。検察庁への提出時期は10日から2週間以内には行いたい

質疑応答

(Q.証拠物は本物だと胸を張って言えるか?)
伊東市・田久保眞紀 市長:
私の中では本物だと思っているが、大変残念ながらいま私の方で本物だと証明するための卒業証明書が取れないので、こうなった以上はきちんとした捜査機関でお調べいただいて、その結果を待ちたい。

(Q.卒業してなかったのに卒業証書を提出するのは理解し難い。自分で作ったのか、他人が作ったのか?どう書類を手に入れて議長に見せた?説明できるはずではないか?)
伊東市・田久保眞紀 市長:
文書は卒業証書。前回(7月2日)の会見でも話したが30年前くらいのことで、正直に申し上げてそれをどう手にしたのか、郵送で送られてきたのか、それとも学校に取りに行ったのか、友達と行ったのか記憶が曖昧なので捜査機関に調べてもらって、その結果を見ることが一番真実に近い形が市民に示せるのではないか。

(Q.除籍だとしても本物の可能性を信じているのか?)
伊東市・田久保眞紀 市長:
私は本物だと思って各方面、必要だと思った方にお見せしている。

(Q.除籍と判明し、卒業していなくても卒業証書だと思う根拠は?)
伊東市・田久保眞紀 市長:
私が東洋大学の窓口に出向いたのが6月28日。(卒業)証明書は「1週間かかる」と言われたが「除籍である」と言われた。初めて自分が除籍であると知った。6月28日までは除籍という立場を把握していなかったので、卒業証書は持っていても不思議ではないと思っていた。言葉を重ねて「本物」と言ったところで確かな裏付けもないので、きちんと検察に提出して捜査してもらうことにした。

(Q.卒業証書は本物か偽物か?どう評価しているのか?)
阿部・吉田・三瓶法律会計事務所
福島正洋 弁護士:
そもそも除籍になった理由がよくわからない。在籍証明書は見たが、それは4年間通って、4年の卒業する年に除籍になっている。どんなシチュエーションでそうなったかにもよると思う、卒業証書が一方である。

なんでそうなったか。除籍になった理由と関連しないとわからない。卒業証書と4年間の在籍証明書が私の目の前にあることは事実。私の目から見てあれ(卒業証書)が偽物とは思っていない。

(Q.起訴されて有罪になれば市長選に出る資格はないが?)
伊東市・田久保眞紀 市長:
私としても検察に調べてもらうことは勇気がいることだが、本当に市民に真偽を示すにはこの手段しか残っていない。その前に起訴されたら立候補してみなさんの審議を受ける資格はないので、そう判明したら立候補はしないと決めている。

(Q.再度出馬することは疑惑が晴れてからというのが普通ではないか?)
伊東市田久保眞紀 市長:
私の進退を決める上で出直しという形で選挙に出るのは葛藤あったし悩んだ。たくさんからのお叱りや励まし、「何やっているんだ」とメールやSNSであったが、その中で「私たちが伊東を変えたいと思って行動した思いを無駄にしないでほしい」という意見が多数あった。

今回は私の不徳の致すところだが、ここは責任を持ってみなさんの思いに応えて審判を受けるべきであると考えて決断した。

(Q.辞任を決めたのはいつか?)
伊東市・田久保眞紀 市長:
表明のきっかけの出来事は、直接いろいろな人と話してたくさんのメッセージを読んだ。徐々に私の決意が固まった。節目になったのは大学窓口で除籍であると知ったこと。どう振る舞うか考えてきた。

その中で議会が閉会したが、議会の結果(辞職勧告)を重く受け止めなければならないと、私自身の決断としてそう思ってきょう示した。

(Q.検察に資料を提出すると何がわかるのか?)
阿部・吉田・三瓶法律会計事務所
福島正洋 弁護士:
検察が調べることはいろいろあるが真贋の鑑定はできる。この事案を起訴するか決める。あとは裁判官が有罪・無罪を決める。総合的に全体として白黒決着つける。

(Q.メディアに出ている同じ年の卒業証書と同じか?)
伊東市・田久保眞紀 市長:
言い訳するわけではないが私は本物だというものを見ていないのでコメントできない

(Q.この場で見ればわかるか?)
伊東市・田久保眞紀 市長:
私はそれも含めて検察で判断してもらいたい。ここずっとそういうやりとりが続いてきた。偽物だとか本物だとか、ちらっと見せただけだとか、私はそんなつもりはなかった。不確定なやり取りを続けること自体、市民が望んでいないと思っているので、そういう解決ではなくてしっかりした解決、きちんとした結論が出せる最も相応しいところに委ねたい。

(Q.経歴調査票は自身で書いたのか?)
伊東市・田久保眞紀 市長:
私自身というより、後援会のスタッフに作成をしてもらった。

(Q.最終確認はしたのか?)
伊東市・田久保眞紀 市長:
私は選挙で飛び回っていたのでスタッフが書いたものを私がチェックして出した形。

(Q.仮に再選したとしても市政運営できるのか?)
伊東市・田久保眞紀 市長:
議会との関係を含めても、今後この問題に対処していく覚悟なしには再度立候補はないと考えているので、これからの議会との向き合い方はもちろん考えていくが、そういったことも含めて全て覚悟して今回出馬すると決めた。

(Q.百条委員会を前に辞職すると思うが証言などへの対応はどうするか?)
伊東市・田久保眞紀 市長:
どんな形のスケジュールで百条委員会が開かれると聞いていないので、その辺は議会が決めることなのでそれに沿うしかない。

(Q.捜査には時間がかかる。疑惑が晴れないまま市長に再選すれば不信任案が提出される可能性もあるが?)
伊東市・田久保眞紀 市長:
今の現状を見て、そのような状況も全て含めて本当に市民が議会や市長を選ぶという部分で市民の意識の形成というか、本当に伊東市を変えるために行動を起こしていく、そのための布石になるのであればしっかりと務めていきたい。

(Q.卒業証書を見せることはしないのか?)
阿部・吉田・三瓶法律会計事務所
福島正洋 弁護士:
辞職を表明しているので田久保は何の力もないただの一般人。かつ、刑事告発されていて被疑者という一番弱い立場に転落したことになる。これを守る刑事弁護人として刑事事件の証拠を安易に公開することはできない。

(Q.ここまでの内容を振り返って説明は十分と考えるか?)
伊東市・田久保眞紀 市長:
十分だと思ってもらえるように最大限努力した。

(Q.後悔はないか?)
伊東市・田久保眞紀 市長:
後悔があるとしたら市民に心配をかけたこと。このまま自分たちが一生懸命、伊東市を変えようと思って行動したことが無くなってしまうのではという気持ちにさせてしまったことについて深くお詫びしたいし、そのような事態を招いたことについて不徳の致すところで反省も後悔もしている。

(Q.私文書偽造ではないのか?)
阿部・吉田・三瓶法律会計事務所
福島正洋 弁護士:
上申書の中身に触れることはしない。

伊東市・田久保眞紀 市長:
どのような内容で刑事告訴されたのか内容を把握していないので憶測招いたり、間違った発言はできない。

(Q.経歴調査票は本人が書いたものではない?)
伊東市・田久保眞紀 市長:
申し訳ないが今回の出馬もバタバタした。決断も急だったし、2カ月しかない中で、みなさんも提出期限が過ぎた中で早く出していただけないかと催促を受けた記憶がある。

選挙スタッフが作成してくれていると思うが、必ずしも誰が書いたと記録は残していないので、ちょっとその辺は私が書いたとかきちんとお話する段階ではないかなと思う。

(Q.調査票の記入欄が消されている跡があるがなぜか?)
伊東市・田久保眞紀 市長:
それは私もいま聞いたので確認しないといけないが、いま私の方で事実関係をしっかりと話せない。

(Q.筆跡を見て自分のものか?)
伊東市・田久保眞紀 市長:
そこも不確定要素になるので、公職選挙法上メインになって訴えられているので不用意な発言は控えたい。

私に期待していただいた方、多くの市民、関係者に心配と迷惑をかけたことを最後にもう一度謝罪したい。本当に申し訳ございませんでした。

テレビ静岡
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