沖縄戦から80年の節目に合わせて5日、沖縄県内8つの平和資料館などが集まり戦争体験をどう継承していくかやこれからの活動について意見を交わしました。
ひめゆり平和祈念資料館 普天間朝佳館長:
体験者亡きあと、継承をどうしていくかがとても大きな社会的課題・・・
県が主催したシンポジウムには平和祈念資料館や南風原文化センター、不屈館など県内8つの館の代表が参加しました。
戦後80年を迎えそれぞれが抱える課題の共有や、戦争体験をどのように継承していくか意見を交わしました。
沖縄愛楽園交流会館 鈴木陽子学芸員:
(ハンセン病で隔離された)愛楽園の経験した沖縄戦は、存在が見えなくされている方の沖縄戦の経験、沖縄全体の経験の一つとして出せないか
ヌチドゥタカラの家 謝花悦子館長:
政治や教育の立場におられる方々が、戦前の時代といまとを比較した場合、何が大事か考えられないほど便利ないまになっているところで、抜けてることはないのかのかなと年寄りは思うようになっています
ひめゆり平和祈念資料館 普天間朝佳館長:
私たちのような平和資料館や人権博物館、あるいは沖縄県史には膨大な体験者の証言記録がある。体験者が残した遺産、それを大事に活用しながら継承していくことが大事かなと思っている
戦争体験が怖くて聞けない。悲惨な写真を見せられる、6月が嫌いだという声もあることに登壇者は。
佐喜眞美術館 佐喜眞道夫館長:
あの詩は沖縄戦の図を見て、おどろおどろしい図を見て作った詩です
3年前、小学2年生だった徳元穂菜さんが朗読した平和の詩。佐喜眞美術館の「沖縄戦の図」を見て生まれました。
佐喜眞美術館 佐喜眞道夫館長:
だんだん怖くなって、寂しくなって、冷たくなった。お母さんに近づいた。お母さん温かかった。これが平和かなと子どもらしい詩が続くんですけれども、表現者の思い、画家の思いとの向こうに溶かしこまれている真実。瞬間に嗅ぎ取るんですね、子どもたちは
対馬丸記念館 嶋袋寿純学芸員:
怖いから聞かないということは、沖縄戦や平和を学ぶことを自ら遮断している。耳をふさいでいる。危険なことだと思う。沖縄戦を生き延びた人々からの証言を聞いて、怖いという気持ちを乗り越えて学習していくことがすごく大切なこと
熱心にメモをとる女の子:
自分が聞いたり見たりしたことをほかの人につないでいけるかなと思った
シンポジウムでは義務教育の中で平和学習のカリキュラムを作れないかという提案や、今回、点だった県内8つの館の取り組みが線になったとして、戦争を考え平和を発信へさらなる発展に期待する声もあがっていました。