終わりの見えない危険な暑さで夏バテしているのは人だけではありません。
“エッグショック”の再来が危惧されています。
福岡県飯塚市にある養鶏場「あかね農場」です。
約7000羽のニワトリを平飼いで育てていますが、そこには口をぽっかりと開け、口呼吸をするニワトリの姿が。
◆あかね農場 藤井大地さん
「トリは人間と違って汗腺がなくて汗をかけない、その上、羽毛で覆われているので、呼吸をたくさんして熱を少しでも外に逃がしてあげる」
ニワトリも早めに訪れた暑さで、すでに夏バテの様子です。
産卵率も例年に比べて10%ほど減っている上に、産卵した卵にも異変が起きているといいます。
指先で押すとへこんでしまうほど柔らかいこちらの卵。
これは「軟卵」と呼ばれ、殻が薄いままニワトリが産卵したもので、太陽にかざすと黄身が透けて見えるものもあります。
◆あかね農場 山崎登希代 農場長
「(夏バテで)エサを食べる、水を飲むという摂取量が少なくなって、こういった殻の薄い栄養が伝わりにくい卵が産まれる」
異変はこれだけではありません。
通常の卵と比べると、うずらの卵ほどのサイズの小さいものや…
赤卵にはほど遠い色の薄い卵など、廃棄せざるを得ない卵が増えているといいます。
こうした状況を防ごうと、暑さ対策を例年より1カ月ほど早めに開始。
業務用の扇風機や常に冷たい水を与えるなどの管理をしていますが、続く猛暑に悩まされています。
◆あかね農場 山崎登希代 農場長
「例年だったら8~10月ぐらいまで2~3カ月ぐらいが夏場のダメージを受ける期間という認識だけど、7月頭ごろからダメージが始まったので、世の中がどんどん卵不足になっていくというのは肌で感じている」
価格高騰が続いている卵。
「JA全農たまご」によりますと、福岡のMサイズ1キロあたりの卸売価格をエッグショックと呼ばれた2023年の価格と比べると、今年5月・6月は340円と、2023年の最高値、345円に迫っています。
一方、7月を見てみますと、2023年は319円まで下がっていましたが、今年は340円台で推移しています。
今後の価格については生産者の見通しは…。
◆あかね農場山崎登希代 農場長
「夏が長いので、残暑に対しての卵(価格)の社会全体に対してのダメージは大きくなるのではないかという不安はある」
食卓の優等生「卵」、価格が落ち着く日はいつになるのでしょうか。