フランス・パリを流れるセーヌ川で、102年ぶりに遊泳が解禁されました。
パリオリンピック・パラリンピックのレガシー(遺産)を市民らが楽しんでいます。
猛暑の中、エッフェル塔のふもとで水泳を楽しむことができるようになりました。多くの人が詰めかけています。
7月5日から遊泳が解禁されたのは、セーヌ川に設置された3カ所のエリアで、浮き輪を着用すれば8月末まで無料で川に入ることができます。
訪れた人からは「こんな場所で泳げるなんてすごいですね。パリでセーヌ川を見たときは、まさか泳げるなんて思ってもいませんでした。最高です!」「私は小さなプールに入ったよ。浅くても問題なく遊べたし本当に楽しかった」などの声が聞かれました。
セーヌ川では川の汚染が問題となり、102年前に遊泳が禁止されました。
大雨が降ると汚水やゴミが川に流れ込むという課題がありましたが、フランス政府などは日本円で2300億円以上をかけて下水処理施設を近代化したほか、巨大な貯水槽を建設。
2024年に開催されたパリオリンピック・パラリンピックを見据えて水質の改善を進めました。
しかし、オリンピックのトライアスロン男子では、水質検査が基準値を満たさず競技が延期になったほか、複数の選手が体調不良を訴えるなど、セーヌ川の水質をめぐって安全性が問題になりました。
5日も遊泳エリアを見ていると、ビニール袋でしょうか、遊泳エリアの中をゴミが流れていきました。
それでも、訪れた人たちの評判は上々です。
訪れた人は「水の色も良く、水質も完璧です」「水を飲むのは避けましたが、それ以外は特に問題は感じなかった」などと話していました。
大雨の後は水質が悪化する傾向があることから、パリ市は大腸菌などのモニタリング結果や天気などを総合的に考慮して遊泳の可否を随時判断するということです。