事件の速やかな解決に向けて重要な「初動捜査」の技能を競う大会が6月27日、開かれました。優勝して全国大会の出場を目指す、愛知県警の女性警察官の挑戦を取材しました。

愛知県警察本部で行われた「無線通話技能競技会」は、目撃者などから犯人に関わる情報を集める「現場担当」と、現場からの情報をまとめ、捜査にあたる警察官を指揮する「指令担当」の2人1組で行われ、10月に開かれる全国大会への出場者が選ばれます。

中警察署の代表として出場する斉藤亜由子警部補は10年前、現場担当として全国大会に出場し、2位になりました。

今回の大会は、「現場」から「指令」に役割を変えての出場です。
本番1週間前、刃物を持った不審な男が現れた現場を想定し、練習を行いました。

斉藤警部補:
「なにか忘れている気がする。判明事項、言ってないですね。全然だめだ…」
「現場」から矢継ぎ早にあがってくる報告に焦ってしまい、「犯人が刃物を持っている」という大事な情報を伝え忘れてしまいました。
斉藤警部補:
「どうやって他の警察官に伝えて共有するか考えていると、だんだん頭の中がいっぱいになっちゃって」
「指令」には、冷静さと正確な情報の取捨選択が求められます。斉藤警部補は先輩警察官にアドバイスをもらいながら、精度を上げていきました。

そして迎えた本番。目標はもちろん優勝です。
競技は、百貨店のアクセサリー売り場で、腹部を刺された若い男女を警備員が発見し通報、犯人は返り血を浴びた状態で、刃物をもって逃走した殺人未遂事件の想定で行われます。

斉藤警部補:
「入電、若い男女が腹部を刃物で刺されて出血しているとの内容」
目撃者:
「シャツ全面と腕に、真っ赤な汚れがついているんですよ」
現場担当の中西巡査:
「目撃者ミヤタさん男性から、不審人物の目撃情報を受理。関連事案の可能性あり」

斉藤警部補:
「現状、西口から左折南進逃走、以下詳細確認中、至急手配願う、どうぞ」
斉藤警部補の指令のもと、制限時間の20分以内に犯人を検挙することができました。力を出し切りましたが、結果は惜しくも3位、優勝とはなりませんでした。

斉藤警部補:
「通信指令、無線通話は人の命に直結することだと思いますので、地域警察官としてしっかりまた明日から頑張っていこうと思います」
(東海テレビ)