7月3日に参議院選挙が公示され、17日間の選挙戦がスタートした。福島県選挙区には現職と新人の合わせて5人が立候補した。福島の次の6年間を誰に託すのか?低い傾向が続く投票率の向上も課題になっている。

選挙の争点

今回の参議院選挙は、物価高への対応や今後の復興政策、政治とカネの問題などが争点になるとみられている。

福島選挙区 立候補者
福島選挙区 立候補者
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改選1議席の福島県選挙区には、現職と新人の合わせて5人が立候補し、福島市や郡山市でそれぞれ第一声をあげた。

参政党・新人 大山里幸子氏(51)

会社役員で参政党・新人の大山里幸子(おおやまりさこ)さんは、減税を中心とした経済政策に重点を置き支持を訴えた。

参政党・新人 大山里幸子氏(51)
参政党・新人 大山里幸子氏(51)

「国民負担率を35%まで下げて、それを上限にして、私たちが使えるお金を増やす、こういった現実的な減税政策を掲げています。まず私たちが使えるお金がなければ、経済は回らないんです」

諸派・新人 越智寛之氏(51)

IT会社社長で諸派・新人の越智寛之(おちひろゆき)さんは、マスコミのあり方について問題提起をするとともに、福島の復興の遅れを指摘した。

諸派・新人 越智寛之氏(51)
諸派・新人 越智寛之氏(51)

「いまだに復興が進まない今の現状がですね、県外の人間なんですけれども非常に憂慮しております。そこに住む人たちがあらためて新しい地域で再スタートができるように支援していくことが復興の第一歩だと思っています」

自民党・現職 森雅子氏(60)

4期目を目指す自民党・現職の森雅子(もりまさこ)さんは、これまで復興政策に携わり財源を確保してきた実績や継続を訴えた。

自民党・現職 森雅子氏(60)
自民党・現職 森雅子氏(60)

「厳しい選挙でございますが自民党はしっかり反省し、私が先頭になって自民党を改革していく覚悟で、この皆様にこれからの17日間、福島全県をめぐって私の決意と覚悟を訴えて参ります」

立憲民主党・新人 石原洋三郎氏(52)

元衆院議員で立憲民主党・新人の石原洋三郎(いしはらようざぶろう)さんは、人口減少や物価高への対策などを訴え、13年ぶりの国政復帰を目指す。

立憲民主党・新人 石原洋三郎氏(52)
立憲民主党・新人 石原洋三郎氏(52)

「最終的には、政権交代可能な政治体制を実現し、政権交代を実現することが求められます。物価高からあなたを守り抜く、石原洋三郎、最後まで頑張ります」

無職属・新人 遠藤雄大氏(40)

元県職員で無職属・新人の遠藤雄大(えんどうゆうだい)さんは、震災後に厳しい状況に立たされる県内の農業の復興を目指す考えを強調した。

無職属・新人 遠藤雄大氏(40)
無職属・新人 遠藤雄大氏(40)

「農業政策であったりとかそういったものに関して、ぼく自身ちょっと不満ではないですけど変えていきたいなと。自分なりに一生懸命、県民の皆様のため、国民の皆様のための仕事をしていきたい」

戦いの構図

現職・新人あわせて5人が立候補したが、この数週間で予想されていた戦いの構図が大きく変わっていた。
4人はもともと立候補予定を表明していたが、遠藤さんは公示日の7月3日に立候補会見を行い、さらに2人は立候補を取り下げている。

公示直前に変わった戦いの構図
公示直前に変わった戦いの構図

混線の背景にあるのが「政治とカネ」の問題だ。
2024年の衆院選では、自公が少数与党に追い込まれた。自らも不記載があった森さんは、これまでと異なり公明党からの推薦はなし。しかし「強力なる心情的支援」という形を取っていて、3日の第一声には公明党の現職の参議院議員が応援に駆け付けた。

一方の野党は、共産党が候補者をおろし、選挙区では石原さんへの投票を呼びかけるとしているが、立憲民主党とは主義主張が違い支持者の理解を得るため「野党共闘」という言い方はしていない。

有権者の視点 候補者は?

複雑な構図だが、有権者は今回の選挙にどのようなことを望んでいるのか、街で話を聞いた。
■20代・会社員・男性「日々生活していて、物価高いなと感じる。即効策として何か対策があればいい」
■30代・主婦・女性「子育て世代は、いまのこの物価高に興味はあるので、今年もちゃんと選挙に参加したい」
■50代・会社員・男性「減税と言っていますけど、基本的には減税反対。財源も見えず減税というのは御門違いだと思う」

各候補 第一声で訴えたテーマ
各候補 第一声で訴えたテーマ

さまざまな有権者が見る「争点」があったが、それぞれの候補者の重要なスタートでもある第一声から特徴を見ていく。
大山さんは税と経済、越智さんは原発、森さんは震災復興、遠藤さんは農業と、それぞれ1つのテーマを強く訴えていて、逆に石原さんは物価高や復興など複数のテーマに沿った主張をまんべんなく展開していた。

有権者の不安や願いを国に届ける人物を選ぶ参議院選挙でもあるので、是非それぞれの候補者の主張にふれてほしい。
7月2日時点の福島県内の有権者数は152万752人で、前回3年前の参院選より4万人あまり少なくなっている。投開票日は7月20日、17日間の選挙戦がスタートした。

(福島テレビ)

福島テレビ
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