3日に公示された参院選挙。

ここからは選挙取材を担当する安楽記者とお伝えします。

よろしくお願いします。

今回は4人が立候補しましたが、構図の注目ポイントは?

今回は議席を長年守り続けてきた自民党現職・尾辻秀久議員の勇退に伴う争いとなるんですが、一番注目されるのは尾辻議員と同じ自民党の元職・園田修光さんと、尾辻議員の三女である新人・尾辻朋実さんの対決です。

実は2人とも尾辻議員の後任を選ぶために自民党県連が行った公募に参加し、選考の結果、園田さんが公認を勝ち取りました。

一部、この選考結果に不満を漏らす県議もいましたが、園田さんはこれまで各地で集会を開くなど組織固めを進め公明党からも推薦を受けています。

3日の出陣式では自民党の国会議員のほか、塩田知事や鹿児島市の下鶴市長も応援弁士として登壇し園田さんを後押ししました。

陣営関係者は「県議や友好団体の多さをいかしながら園田さんの訴えを広めたい」と組織戦を展開する構えです。

一方、自民党の選考に漏れた尾辻さんは立憲民主党からの提案で推薦を受けて戦うことになりました。

連合鹿児島も推薦を決めていて、公示の5日前には共産党から立候補する予定だった女性が一本化に応じ、尾辻さんの支援を表明するなど自民党現職の娘でありながら野党から支持を多く取りつけました。

出陣式には立憲の国会議員や県議会の県民連合の関係者もいましたが、陣営は「保守・野党関係なく幅広く支持を得たい」と力を込めました。

2001年に鹿児島選挙区が2人区から1人区に変わって以降、いずれも参院選では自民党公認候補が議席を獲得してきましたが、2024年の衆院選では裏金問題の影響などから4議席のうち1議席しか自民の公認候補が勝利できないなど逆風も吹く中で園田さんが自民党の議席を守り切れるか、それとも尾辻さんが切り崩せるのか、事実上の与野党対決に注目です。

2人以外の候補者はいかがですか?

まずは参政党の新人・牧野さんです。

3日の出陣式を夜勤明けで行うなど救急医として勤務しながらの戦いです。

参政党は6月の東京都議選で初めて議席を獲得するなど着実に支持を拡大する中、県内にも5人の地方議員がいて牧野さんの戦いを後押ししています。

参政党の神谷代表も「鹿児島は支援者に熱があり期待できる」と話していて、参政党の勢いをいかして牧野さんがどこまで支持を伸ばせるか注目です。

NHK党の山本さんは公示前日の2日夜、会見で立候補を発表しました。

これまで鹿児島での活動をできておらず、出陣式も1人で行う中、どれだけ支持を図れるかがポイントです。

3日の出陣式ではそれぞれどのような事を訴えましたか?

それぞれの特徴について届け出順に見ていきます。

尾辻さんの出発式では壇上に上がった応援弁士6人全員が現状について不満を述べ、「変える」というキーワードを口にしました。

尾辻さんの演説は冒頭、父親である尾辻秀久議員の言葉を引用して始まりました。

3分弱の話の中で大企業や都会が一人勝ちをしていると危機感をあらわにした上で、「今こそ政治を変えないといけない」と力を込めました。

牧野さんは炎天下の中、約15分にわたり演説を行いました。

前半では減税に応じない自民党を批判し、その後は「物やサービスの供給能力を上げる」などと自身の訴えを展開しました。

園田さんがマイクを握ったのは8分半ほどで、その半分以上の時間を使い県議や国会議員を務めた過去の実績をアピールしました。

一方、鹿児島選出の自民党、森山幹事長は他県での応援に入っていて園田さんの式には出席できず祝電を寄せました。

県庁前で一人でマイクを握った山本さん。

約4分半の演説のほとんどで「ルールを守らない違法外国人が増加している」として「今動かないと将来日本が日本人のための国ではなくなる可能性がある」と訴えました。

今回の選挙戦では物価高対策として給付か減税かという議論に加え、先の見えない米の問題など私たちの生活に直結する争点が多く、有権者には各候補・政党の訴えをしっかりと見比べて投票に行ってほしいと思います。

ここまでは3日公示された参院選についてお伝えしました。

鹿児島テレビ
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