FNNは2日に震度5弱の地震が観測された鹿児島・十島村の小宝島で広がる地震の影響を取材しました。

トカラ列島近海で3日午後5時までに観測された震度1以上の地震は1000回を超え1049回。
1994年の観測開始以降では最多の地震数です。

こうした中、FNNのカメラが3日に向かったのが、2日に震度5弱の地震が起きたばかりの小宝島。

そこでカメラが捉えたのは、小高い山にできた大きな割れ目。
2日に起きた地震の爪痕です。
さらに、山のふもとには大きな岩が転がっていました。

小宝島出張所・中村勝都志所長:
これが上から落ちてきた。あそこから転がってきて。土山とかではない岩山なので、本来あんまり崩れたり落ちてきたりということはないんですけど、きのうの(震度)5弱に関しては、こういうのが起きてしまったので、相当(揺れが)強かったと思います。人の家の裏とかじゃなくて良かったなと。

また、島内にある小中学校では地割れが起きていました。

小宝島学園・松野浩三校長:
震度4の地震が続いて、校舎に帰る時に職員が気づいた。亀裂が入るっていうのはなかなかないと思います。島民も「珍しい」ということで、見に来られる方もいました。

中には体の異変を感じているという女性も。

匠真澄さん:
小宝島も悪石島ほどではないですけれど揺れはするので、こっちでも船酔いみたいな感覚、地震酔いなんですけど。やっぱり(地震が)1000回近くになってくると私自身も酔ってきて、「ちょっと気持ち悪いな」と思って。子供たちも「地震だ、地震だ」しか言わなくなってきて、ストレスなんだろうなっていうのは感じています。

なぜ今、この地域で地震が頻発しているのでしょうか。

気象庁は2日、トカラ列島近海でこれまでに観測された地震活動の累計回数を公開。
それによると、1994年10月から2020年までは比較的なだらかですが、2021年から毎年のように急増しているのが分かります。

この付近で起きている複数回の地震についてのメカニズムを、地震火山部地震津波監視課長・海老田綾貴さんは「この辺、いろいろなプレートがあり、複雑なメカニズムで起こっている。いろんな説があるが、『このために地震が起こった』というメカニズムは実はよく分かっていません」と説明しています。