セカンドキャリアを見据えてバスケットボールのトップ選手が中学生を指導。

試合に出られない悔しさなど、うまくいかなかった経験を踏まえて次の世代の夢を後押しします。

1988年生まれ、2025年に37歳を迎える2人の元代表選手と元プロバスケ選手。

同級生3人が始めた、経験を未来へつなぐ活動。
そして、突然訪れる環境の変化への備えとは。

6月、福岡市で全国から集まった中学生28人が参加し2日間にかけて行われたバスケットボールのキャンプ。

主催したのは、元日本代表の篠山竜青選手(36)と、橋本竜馬選手(37)、さらに、6年前に現役引退した湊谷安玲久司朱さん(36)による「88 Basketball」という、次世代に自分たちの経験を還元するプロジェクトです。

元日本代表・篠山竜青選手(川崎ブレイブサンダース):
絶対カバーできる一個の大きい要因があって、それが“声”。「ヘルプ俺がいるよ」と言うところ。「俺ここに立ってるよ」と言うことだけでも良い。伝えながらやる。もうちょっと声のところ意識して。

中学生にとって普段接する機会のない、プロ選手による“ガチ”指導。

北海道から参加した中学生:
篠山選手のパッション、行動が見てても楽しい。一緒にプレーしたり考えたりしてるとすごい楽しい。

今回、88 Basketballが設けたキャンプのテーマは、「自身の現在地を知り将来の自分の姿をイメージする」こと。

キャンプ最終日には参加した28人が2組に分かれ試合を実施。

その内容から選抜された15人の中学生が、会場を提供した高校バスケの強豪・福岡大学附属大濠高校の選手と“夢の対戦”。

高校トップレベルを肌で感じたのです。

ここで篠山選手、橋本選手が向かったのは選ばれなかった中学生たちのもと。

元日本代表・篠山竜青選手(川崎ブレイブサンダース):
落ちた受かったとか、これの連続だから。スポーツ続けていく限り、社会に出てもそう。自分も代表に呼ばれた、呼ばれなかった、最終(候補)までいって最後東京五輪出られなかった。そこから、それをどう自分の力に変えて、自分の次の人生に生かしていくか。これの連続。

分岐点に立たされた際の立ち回りについて、自身の経験を包み隠さず伝えた2人。

共に1988年生まれで2025年に37歳を迎える中、同い年の湊谷さんと2024年、会社を設立。

背景にはキャリアを重ねていく過程での、突然訪れる環境の変化への備えという側面もあります。

湊谷安玲久司朱さん:
僕は6年前に引退して、引退すると思ってなかった時の引退。とても苦労した。急に引退する選手もいたりしますが、(会社設立と活動で)その受け皿になりたい。

日本の頂点を経験した3人が、プロ選手のセカンドキャリア形成の一つの方法を示すことで果たす“バスケ界への恩返し”。

元日本代表・橋本竜馬選手(ベルテック静岡):
突然訪れる環境の変化は、その時にはもうどうしようもない。やっぱり自分自身が今までやってきたことでしか、それを解決することはできないのかなと思っていて、築いてきた人間関係とか、そういったものでやっていくしかない。「今は緊急事態だけど自分にはこれがある」という状況をつくる。