「札幌グランドホテル」が7月4日に約40年ぶりにリニューアルオープンする。
どこがどう変わったのか、一足早く館内を案内してもらった。
1934年、今から91年前に北海道初の本格的なホテルとして開業した札幌グランドホテル。
昭和の記録映像には道路沿いに大勢の札幌市民が集まり、グランドホテルに宿泊される昭和天皇を歓迎した様子などが残されている。
2月から行われていた改修工事が終了し約40年ぶりにリニューアルされた。

一新された部屋
「キングダブルだけあってベッド幅が2メートルあるダブルルームになります」(札幌グランドホテル 石立隼人副支配人)
本館ではインバウンドの観光客向けにこれまでよりも大きなダブルベッドを新たに設置し、バスルームもすべて新しくした。
大きなベッドを取り入れるためにこんな対応も。

「以前ここにせり出ていたライティングデスクを取り払うことによって、居住スペースを確保したのが最大の本館のリニューアルポイント」(石立副支配人)
机をなくしたほか、クローゼットもオープン方式のものに変えて広さを確保。
間取りを変えずに部屋を一新した。

外資系ホテルの増加
グランドホテルはなぜ大規模なリニューアルに踏み切ったのか。
「ここ数年、近隣の都市部にラグジュアリーホテルの進出が数軒出ている。その外資系のホテルに対抗すべく今後10年を戦っていくための本館の大改修に踏み切った」(石立副支配人)

札幌市では今後外資系の高級ホテルのオープンが相次いで予定されている。
ホテルの開発や経営に詳しい専門家は―
「ニセコで高級ホテルに泊まる客が同じレベルのホテルを当然探します、札幌で。ものすごい金を持った客が最終的にグランドホテルを選ぶかどうか(グランドホテルは)一つの勝負をかけていると思う」(札幌国際大学観光学部 山田芳之教授)

ニセコを訪れる富裕層の受け皿になるのか。
そこにリニューアルのポイントがあるという。
「需要が多い海外の客、連泊の客に対応すべくラウンジを普段使い、リビング使いしていただきたく新しい設定を設けた」(石立副支配人)

東館の15階、16階は高額な宿泊料金だが、このフロアの利用客はこれまで本館のラウンジを利用できなかった。
ラウンジの席を32から52に増やし、東館の高層階の客もすべて無料で利用できるようにした。
長期滞在してもらうのが狙いで、北海道産の食材を使った食べ物や北海道内のクラフトビールなどを味わえる。
札幌グランドホテルは7月4日にリニューアルオープンする。
