山形駅前公園に、県内初となるPark-PFI制度を活用した飲食施設「KASUMI TERRACE(カスミテラス)」が誕生した。東京の有名店で修業したシェフが腕をふるう本格的なイタリアンを、より気軽に楽しめる注目の新スポットを核に、地域の魅力を最大限に活かして新たなにぎわいの創出を目指す。

山形駅前公園に整備されたKASUMI TERRACE(カスミテラス)
山形駅前公園に整備されたKASUMI TERRACE(カスミテラス)
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気軽に立ち寄れる“ひらかれた居場所”に

JR山形駅のすぐそばにある駅前公園の敷地内に新たに完成したのは、カフェ&イタリアンダイニング「カスミテラス」。

夕方になると店舗ロゴが照明で浮き上がる
夕方になると店舗ロゴが照明で浮き上がる

特徴は、入口が道路側ではなく公園側に向いていること。
これは「公園との空間の一体化」を図るためで、シンボルツリーが残された広場には、テーブルやイスが設置され、客が青空の下で開放的に飲食を楽しめるようになる。

公園との間にあるガラス戸を開け放つと、公園と“ひとつの空間”として楽しめる
公園との間にあるガラス戸を開け放つと、公園と“ひとつの空間”として楽しめる

1階席34席、2階テラス席24席。

店舗内の階段をのぼるとテラス席へ。開放感がありちょっと特別な空間に感じられる
店舗内の階段をのぼるとテラス席へ。開放感がありちょっと特別な空間に感じられる

店内はカウンターのブルーが際立つ洗練されたデザインで、日中はカフェとして親子連れや買い物客・学生に、夜はダイニングバーとして会社帰りの人や観光客など、幅広い人が集う「地域のダイニング」として、駅前公園の新たなにぎわいの拠点となることを目指す。

間接照明で癒される空間…。世界で活躍するデザイナーが建物のデザインを監修
間接照明で癒される空間…。世界で活躍するデザイナーが建物のデザインを監修

店舗を整備した市内の住宅メーカー・クリエイト礼文は、今後、多くの人が集うようなイベントの開催も検討したいとしている。

クリエイト礼文・大場友和代表取締役CEO:
みなさんが等しく駅前に集って、そしてここから出発したり終わりを締めくくったり…という交流の場所になればいいし、若い人たちが気軽に立ち寄れる空間になればいい。

クリエイト礼文・大場友和代表取締役CEO
クリエイト礼文・大場友和代表取締役CEO

本格的なイタリアンを気軽に楽しめる

カスミテラスは「本物をより気軽に、より楽しく」をテーマに、高級食材と家庭料理を融合させたワクワクするような料理を提供する。

インカのめざめのフリット・アンチョビサワークリームのディップ/山形でインカのめざめが食べられるとは
インカのめざめのフリット・アンチョビサワークリームのディップ/山形でインカのめざめが食べられるとは

東京の有名店で修業したシェフが腕を振るい、パスタやラザニアを中心としたランチをはじめ、夜はイタリアンをベースにしたアラカルトや、山形の旬の食材を活かしたデザートなどを提供する。
ワインやビールなどのお酒も楽しむことができる。

山形県産和牛のビステッカ/肉のうまみを噛むほどに感じられる一品
山形県産和牛のビステッカ/肉のうまみを噛むほどに感じられる一品

オープンに先立って行われたオープニングセレモニーでは食事メニューの試食会も行われ、地元の食材をふんだんに使った創作イタリアンを山形市の佐藤市長も味わった。

山形市・佐藤孝弘市長:
トマトものすごくおいしい。甘い、フルーツみたい。山形駅前なので、地元のおいしい食材を使った料理を食べてもらうというのはすごくPRにもつながるし、すごく良い。

佐藤市長は県産トマトを使った料理を試食
佐藤市長は県産トマトを使った料理を試食

ほかにも、地元のフレッシュな素材とトリュフの香りが融合した特別な一皿「ウフマヨとトリュフ」。
とろっとろの半熟なゆで卵に、目の前でぜいたくにトリュフを削りかけ、ワクワク感を演出する工夫が楽しい。
それでいて400~450円で提供予定と、うれしい価格設定。

ウフマヨとトリュフ/ふんわりと香るトリュフが鼻をくすぐりソースまで全部おいしい
ウフマヨとトリュフ/ふんわりと香るトリュフが鼻をくすぐりソースまで全部おいしい

今後、シェフ自らが地元食材の良さをより引き出した新たな料理を研究し、提供していく場を作っていく予定だという。

食材の生産者とシェフ、調理された料理を食べる観光客・地元の人、さまざまな人が「カスミテラス」を介して交流したり集ったりすることで、出会い・体験が広がることだろう。

フルーツトマトの冷製カッペリーニ/シェフが修行した有名店のシグネチャー料理を山形食材で再現
フルーツトマトの冷製カッペリーニ/シェフが修行した有名店のシグネチャー料理を山形食材で再現

官民連携で公園の利活用に取り組む

「カスミテラス」は、山形市が推進する都市公園の有効活用と民間活力の融合を目指す「Park-PFI制度」によって整備された。

市が行った公募に応募したクリエイト礼文の提案が採用され、官民連携(PFI)事業として、地域に開かれた空間を提供し、昼夜問わず多くの人々が集う場を目指す。

以前の公園は夜暗かったため、明るい店舗があることで地域の安全・安心にもつながる
以前の公園は夜暗かったため、明るい店舗があることで地域の安全・安心にもつながる

PFI(Private Finance Initiative)とは、 公共施設の建設や運営を民間企業の資金・ノウハウを活用して行う手法で、従来、自治体が税金で施設を整備・運営していたのに対し、PFIでは民間企業が主体となってより効率的で魅力的な施設運営を実現するもの。

店内は全席禁煙。営業時間・メニューなどお店の情報はネットで確認してほしい
店内は全席禁煙。営業時間・メニューなどお店の情報はネットで確認してほしい

施設運営を担うクリエイト礼文にとっては、住宅だけでなく、地域の魅力を引き出して新たな価値を創造する「まちづくりに貢献する企業」というブランドイメージの構築・定着につながるメリットがあるとみている。

この制度を使って建物を含んだ公園の整備が行われるのは県内で初めてで、地域のにぎわい創出が期待される。

カスミテラスは7月3日にグランドオープンする。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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