国の絶滅危惧種に指定されている「ハヤブサ」のヒナドリが仙台市内のある意外な場所で誕生しました。その場所とは東北電力の火力発電所の煙突。電気が生まれる場所で、一体なぜハヤブサが生まれたのでしょう?
親鳥から元気よくエサをもらうヒナドリ。国の絶滅危惧種に指定されている「ハヤブサ」です。そのわずか1カ月後には、白くてフワフワだったうぶ毛が生え変わって、立派な縦縞模様に。
外では、もくもくと煙が上がっています。一体ここは、どこかというと、仙台港にある新仙台火力発電所です。3号系列と呼ばれる発電所の高さ76メートルの煙突の上に、ハヤブサの人工の巣があります。
ハヤブサはもともと1号機と2号機の煙突の上に自然に巣を作っていましたが、老朽化のため、2つの発電所は廃止に。そこで東北電力は10年前に新しくできた発電所に人工の巣を設けたのです。
2017年に初めて巣作りが確認され、2020年からは6年連続であわせて20羽が巣立ったということです。今年のヒナは3羽。6月12日に無事に巣立ちました。
東北電力の担当者は「繁殖が成功するかドキドキしていましたが、無事に巣立ってくれて発電所員一同とてもうれしくほっとしています」とコメントしています。