いよいよ3日に公示となる参議院選挙。
2日、日本最大級の選挙政治情報サイトの「選挙ドットコム」とコラボして、参院選と動画再生についてお伝えします。

SNSでどの政党のどんな動画がたくさん見られているのか、データをもとにお伝えしていきます。

今回YouTubeにおいて、各政党の直近1週間の動画再生回数を見ていきます。

今回は10党のデータになりますが、2つある政党要件のうちの1つ以上を満たしている10党でのデータです。

最も多いのが自民党で1億3790万回ほど。
2番目が参政党で、約9451万回、3番手に国民民主党で約3190万回となっています。

この集計方法ですが、政党名が動画のキーワードになっているもので計算をしているということです。

一番見られていた自民党の動画を詳しく見ていきます。

「自民党」をキーワードに含むYouTube動画のタイトルの上位をピックアップしてみたところ、トータルで自民党に批判的な動画が多く見られました。
一番再生回数が多かったタイトルを見ていくと、「都議選『無所属議員です、投稿してねw』→当選したら自民党に合流!?」と、都議選の結果に納得がいかないネガティブな内容という側面があります。

青井実キャスター:
良いも悪いもあるということですね。

宮司愛海キャスター:
でもトップ5にはネガティブなものが多かったと。

1つ事例で“こういった動画があります”というのをお伝えします。
「ま・る・な・げ」などの映像を使用したショート動画です。

木村拓也キャスター:
切り抜きのショート動画やまとめのショート動画は、音楽やテロップもあり、非常に分かりやすい側面があります。
ただ、事実関係・ファクトはまた別問題になってくるため、全体的に政権与党に対して批判的な内容というのは、ランキングを見ると全般的に再生回数が多かったのかなと思います。
一方で、改めてですが、恣意的な編集もあったりするためファクトチェックは本当に必要になります。

青井実キャスター:
投票の時に私たち選ばなきゃいけないので、正しいのか正しくないのかちゃんと見なきゃいけないと。

宮司愛海キャスター:
面白いと正しいは別物ですからね。

木村拓也キャスター:
動画のコメントで多かったものを見ていくと、「ま・る・な・げ」にかけて「かいいぬ」や「うらがね」などひらがな4文字を使って大喜利のようなコメントも多かったということです。
ただ、この演説に関しての別の動画では、「野党が良くないからだ」と「自民党の主張に理解を示す」というコメントもあったということです。

2番目に動画再生回数が多かった参政党を見ていきます。

木村拓也キャスター:
タイトルが非常に過激なものもあり、物議を醸すようなレッテル張りにもなるようなものもありました。
参政党の勢いを裏付けるような応援コメントがずらっと並んでいるような動画もあった一方で、「憲法改正案が戦前のようだ」という批判意見もありました。

3番目の国民民主党を見ていきます。

木村拓也キャスター:
国民民主党の特徴としては、「国民民主党2025 CM」であったり、政党が出しているオフィシャルの動画の再生回数が多いというのも特徴的だなと思いました。
コメントを見てみると「増えるのは議員の収入だけ」など、訴えに同調する声であったり、ポップな動画作りが評価されているのかなと思いました。

再生回数の上位3を見ていくと、自民、参政、国民となりましたが、この理由・特色はどんなものがあるか選挙ドットコムの編集長・鈴木邦和さんに聞きました。

鈴木さんによると、自民党は政権与党として「仮想敵として非難の材料にされやすい」ということでした。
また、参政党は「神谷代表の説明が非常に分かりやすい」「マスメディア露出が増え『注目された』と話題になっている」ということもあるそうです。
国民民主党は「ターゲット層が明確」「視聴者との双方向のやり取りも多い」ということで、公式の再生数も多いというのもいえそうです。

青井実キャスター:
各党の思惑ややり方が見えてくるわけですが、都議選の時に再生の道がSNSを使って話題になりましたが結果的に議席獲得とはならなかった背景もあるだけに、再生回数が必ずしも投票に結びつくのかその辺りが難しいですね。

選挙ドットコムの鈴木編集長に聞いたところ、「投票のきっかけは何ですか」と聞くと、既存メディアのテレビ、新聞、雑誌が5~6割を占めるそうです。
インターネットが3~4割。
YouTubeでいうとさらに細分化されて1割から2割程度と投票行動に直接的に結びつくのはまだ少ないということでした。

また選挙に関連する第三者がアップロードしているショート動画を見る際の注意点についても聞きました。

特にYouTubeにおいては、一度見るとオススメにアルゴリズムでたくさん出てくるため、偏りに注意をしてくださいという指摘がありました。

また、切り抜き動画・ショート動画は全体像が見えづらいため、悪意のある恣意的な編集であったり、前後の文脈だったりをしっかり理解することが必要ということです。

青井実キャスター:
野村さん、SNS時代もありますが、どうやってネット動画で選挙の情報を得ていけばいいですかね。

中央大学法科大学院教授・野村修也氏:
テレビとか新聞のような既存のメディアは、かなり多くの人たちがチェックをしてから情報を出しているわけです。ですから、かなり保守的に情報を出していますので、選挙の前になってくると情報量がだいぶ減ってくるというのがあるんです。それに対してネットの方はどんどん炎上していくことがあるので、過激な方向に行ってしまわないようにするためには、両方を見比べるという力が大事になってくるのかなと思います。
今話があったように、自分の見たいものだけがどんどんループしてきますので、それに惑わされないことが一番大事かなと思います。