49年前に起きた「北海道庁爆破事件」で、大森勝久死刑囚(75)の弁護団が、札幌地裁に4回目となる再審(裁判のやり直し)請求を行いました。弁護団が7月1日、会見し明らかにしました。
1976年3月、札幌中央区の道庁1階で時限爆弾が爆発。2人が死亡し、95人が重軽傷を負いました。大森死刑囚は殺人などの罪に問われ、1994年に死刑が確定しています。
大森死刑囚は公判で一貫して無実を主張しましたが、「似た人を見た」との目撃証言などから有罪となっています。
今回、弁護団は心理学の専門家による新たな鑑定結果を提出しました。目撃者の視認状況を再現した実験の結果です。「証人の位置関係などから、顔を知覚できない。仮に知覚していたとしても、初回の取り調べまで記憶が保持されていたとは考えにくい」と指摘しています。
弁護側は「この意見書により、有罪の決め手となった目撃証言の信用性が著しく損なわれた」と主張しています。
この裁判では、これまでに3度の再審請求が行われましたが、いずれも棄却されています。