6月27日、柏崎刈羽原発で重大事故が発生した際の緊急時対応策が了承され、再稼働に向けては地元同意が最大の焦点となっています。こうした中、29日、新潟県柏崎市で開かれたのは県民の意見を集約する方法の一つして花角知事が掲げる“公聴会”です。

■意見集約へ 知事肝いりの“公聴会”開催

27日、政府が柏崎刈羽原発の緊急時対応を了承したことで、再稼働に向けての最大の焦点は地元同意となっています。こうした中…

【花角知事】
「どんなところに不安があるのか、どういうところがネックなのかとか、どこが望むポイントなのか、大事な色んな考えを、色んな分野の方から聞かせてもらいたい」

花角知事が県民の意見を集約する方法の一つとして挙げていた公聴会が29日、県庁と会場となった柏崎市を結び開かれました。

リアルタイムで配信されたこの公聴会。公募で選ばれた8人と団体から推薦された8人がそれぞれ音声のみの公開や顔を映しての公述などの方法を選び、10分程度で賛否の意見を述べました。

【公述人(賛成)】
「柏崎刈羽原発で発電された電気によって、首都圏の経済を下支えすることは、私たち新潟県の経済を回すことに直結する」

【公述人(賛成)】
「地域外の方々も多く働きに来てくれている。地域内で消費活動が活性化することによって、この地域の経済に良い影響を与えていることは間違いない」

地域経済へのメリットなどを強調し、賛成の立場を示す意見がある一方…

【公述人(反対)】
「これ以上、原発のゴミ・核のゴミを後世に残すわけにはいかない。続く後の世代のためにも再稼働には反対」

【公述人(反対)】
「福島(第一原発事故)がどれだけ(避難計画に)考慮されているのか、どれだけ日本として経験したあの災害を考慮しているのか」

使用済み核燃料の最終処分場も決まっていない現状。そして、原発事故への不安などから反対の声もあがります。さらに…

【資源エネルギー庁 村瀬佳史 長官】
「当面、優先すべき整備箇所などについて、さらに関係者で確認・認識の共有を図っていきたい」

国と県による避難道路の整備についての協議などが続く中での再稼働に向けた動きに反対の声もあがります。

【公述人(反対)】
「道路はいつできるのか、計画があってもその計画に載っている避難道路がないかぎり、再稼働してはいけない」

また、公聴会では条件付きでの賛否を表明する人も…

【公述人(条件付き賛成)】
「原子力発電所を稼働したときに柏崎・刈羽村の電気が安くなるのであれば賛成」

■公聴会終了後 花角知事への苦言も…

様々な意見が出た今回の公聴会。

終了後、意見を述べた公述人からは公聴会の開催を望んだ花角知事に対する苦言も。

【公述人】
「知事は色んな意見を聞きたいということで公聴会を計画していると思うが、知事が聞いているということはなかったことについても、これは何なんだろうと」

【公述人】
「見えない声というのが多数あると思うので、それの吸い上げ方が一番問題」

果たして再稼働に対する県民の意見は集約できるのか…8月末まで会場を変え、残り4回の公聴会の開催が予定されています。

NST新潟総合テレビ
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