石破首相は30日、ISS・国際宇宙ステーションに滞在中の宇宙飛行士・大西卓哉氏とリアルタイム交信を行い、今後の宇宙政策などについて意見を交わした。
首相公邸に設けられた特設スタジオには石破首相のほか阿部文科相、宇宙政策を担当する城内科学技術担当相といった関係閣僚のほか、研究者や学生が参加した。
通信では大西氏へ質問をする形で進行し、石破首相は今後の国際宇宙探査を見据え、ISS内にある「きぼう」日本実験棟でどのような活動が必要かを尋ねた。
これに対し、大西氏は「将来の宇宙探査や宇宙政策を念頭に様々な実験や実証の場として活用していくことが非常に重要」と話し「きぼう」を利用して、民間企業がさまざまなビジネスの事業を実証できるような機会を提供できるようJAXAとしても取り組む考えを示した。
また石破首相から成果を上げるために重視している点を問われた大西氏は「国際的なチームで円滑に仕事を進めていく上で必要なのは一朝一夕の関係でできるものではない」とした上で、「コミュニケーションをしっかりと取ってじっくりとお互いの間で信頼関係を築いていくということが、一番確かで確実な方法」と話した。
石破首相は「ISSや『きぼう』日本実験棟での成果を最大化するとともに、その知見を継承、発展させていくことが重要」と話し、政府として官民、国際間の連携をとりながら、宇宙政策を着実に進めていく考えを強調した。