青木一彦官房副長官は30日の記者会見で、約2年ぶりとなる中国による日本産水産物の輸入再開について、「日本政府としても前向きに受け止めている」と述べた。
中国の税関当局は29日、福島第一原発の処理水放出に伴い2023年8月から全面的に停止していた日本産水産物の輸入について、即時再開を発表した。ただし、処理水放出前から輸入を規制している福島や東京など10都県は、今回の輸入再開の対象外となる。
青木副長官は、「今般の中国政府による発表は、昨年9月の日中両政府の発表を実行に移すものであり、日本政府としても前向きに受け止めている」と述べた。
その上で、「残された10都県産の水産物の輸入規制の撤廃や日本産牛肉の輸出の再開などを中国側に強く求めていく考えだ」と強調した。
また、中国への輸出の回復見通しについて、「直ちにどの程度回復するか予測は困難ではあるものの、ナマコなど一部の商品は中華系マーケットの需要が高いことから、中国向け輸出は一定程度は回復していくものと考えている」と述べた。