県立恐竜博物館は中生代に生息した海生爬虫類・魚竜の化石を西日本で初めて発見したと発表しました。
 県立恐竜博物館の研究員や岡山理科大学の教授らが岡山県高梁市で30年前に採集された岩塊から魚竜の化石が発見されたと発表しました。魚竜とは約2億5千万年前から始まる中生代に生息した海生爬虫類のことで、西日本で魚竜の化石が発見されたのは今回が初めてです。見つかったのは肋骨や脊椎、肩甲骨など21点で同一個体のものとみられます。
 発見された地層と化石の特徴から約2億2000万年前の後期三畳紀に生息したイルカに近い形をした魚竜のものと考えられていますが、頭など種類の特定につながる部位の骨が見つかっていないため新種かどうかなどは判断できないということです。
 中生代にあたる三畳紀からジュラ紀白亜紀けて魚竜は近海を泳ぐトカゲ型から遠洋を泳ぐ魚型に進化していきました。今回、発見された魚竜の化石は、その転換期に生息したものとみられていて世界的にも稀な化石だということです。
 調査や分析については、化石の周りの岩石が非常に固いためクリーニング作業による化石の取り出しが極めて難しく、X線CTを使った内部の撮影をもとに行われてきました。県立恐竜博物館などは今後もX線CTを使った調査を続け、この魚竜の分類を特定していくということです。

福井テレビ
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