長野県駒ヶ根市の司法書士の男性が遺産整理業務の中で依頼人から預かった金を着服した疑いがあり、長野県司法書士会が調査していることがわかりました。着服した額は1億円ほどに上る見込みだということです。
着服の疑いが持たれているのは、駒ヶ根市の司法書士の40代男性です。
県司法書士会によりますと、2025年3月、男性の依頼人から会に「手続きが進んでいない」「銀行口座に預金がない」などと苦情があり、男性に聞き取りをしたところ、着服したことを認め、「既に警察に自首した」と話したということです。
会によりますと、着服は複数の依頼人から合わせて1億円ほどに上る見込みだということです。
いずれも司法書士の権限を悪用して、遺産整理の手続きの際に故人の口座から金を引き出すなどしていて、着服した金は投資や借金返済に充てていたとみられるということです。
男性は6月、退会届を提出しましたが、会は受理を保留していて、事実が認められれば、法務省が男性を懲戒処分とする見込みです。
男性の母親は、NBSの取材に「弁護士にお任せしている」としました。
県司法書士会の小林雅希会長は「司法書士に対する信頼を著しく損なうものであり、到底許されるものではありません。これまで以上に法令順守の徹底を図り誠実に職務を遂行するよう指導を行ってまいります」などとコメントしています。