フジテレビの一連の問題を巡り親会社の株主総会が行われ、会社が提案する取締役選任案が可決・承認されました。
会場では株主から質問が相次ぎました。
今後、どのような道を歩んでいくのでしょうか。
元タレントの中居正広氏と元女性アナウンサーのトラブルを巡る対応が大きく問題視された、フジテレビの旧経営陣。
辞任した港前社長に代わり、2025年1月、社長に就任したのが清水賢治氏でした。
フジテレビ・清水賢治社長:
新たな未来を築いてまいります。信頼回復なくして、フジテレビに未来はありません。
その後、清水社長がフジテレビ社員に送ったメールには「現在の経営幹部について、“オールドボーイズクラブ”のようで閉鎖的と指摘を受けたことがあります。この声を真摯(しんし)に受け止め、組織の透明性を高めていきます」と書かれていました。
新たに掲げた“オールドボーイズクラブからの脱却”。
その目標に向け、親会社フジ・メディア・ホールディングスの取締役候補について、清水氏は「取締役数をコンパクトに。透明性客観性を高めるために、独立社外を過半数以上に。多様性を図る観点から女性を3割以上、平均年齢を大幅に引き下げなどがポイントとなります」と訴えました。
社内の取締役は清水氏を含めて4人。
そのうち2人は女性が務めるとした上で、社外取締役の1人には元ファミリーマート社長の澤田貴司氏を充てるなどの人事案を提示したのです。
フジテレビ・清水賢治社長:
澤田さんの経営者としてのやり方が、現場を徹底的に知ること。それを経営に活かすんだというやり方は、行動力のある方だと私は思いました。
フジテレビはまた、一連の問題を巡る第三者委員会の調査を受け、当時の関係者らへの処分を決定。
事案発生当時の編成部長については、被害女性への二次加害行為になり得る不適切な行為をしたなどとして、4段階の降格処分を決めました。
さらに旧経営陣のうち、フジテレビの港前社長と事案発生当時の専務取締役だった大多前関西テレビ社長の両氏について、会社が多大な損害を被ったとして提訴する方針を明らかにしました。
フジテレビ・清水賢治社長:
現象としてみれば、フジテレビに今、放送収入が大幅な低下があり、フジテレビに今被害が生じている。損害賠償の請求としてどのぐらいの金額がそこに影響していたのかとか、この辺のところは全てこれからのことだと思っています。今の段階では、そのような法的責任を追及する必要があるだろうと。
被害女性に対する対応も進んでいます。
フジテレビは19日、清水社長が元アナウンサーの被害女性Aさんと面会したと発表。
その中で清水社長は、今回の事案が「業務の延長線上」で起きたことに加え、Aさんの被害申告に対し必要な対応を適切に行えなかったこと。
また、申告に対するフジテレビの対応が精神的な苦痛を与えたことについて謝罪しました。
その上で、フジテレビはAさんが被った経済的・精神的損害に対する補償を行うことなどを内容とする合意書を交わしました。
そうしたフジテレビ側の対応を受け、Aさんは次のようにコメントしました。
Aさんのコメント:
私が受けた被害は一生消えることはありませんが、本日、会社からの謝罪を受け、合意をしたことを一つの区切りとして、新たな気持ちで生きていこうと思います。(フジテレビは)組織風土をしっかりと見直し、二度とこのような被害が起こらないように努力を続けてほしい。