フジテレビの一連の問題をめぐり親会社の株主総会が行われ、会社が提案する取締役選任案が可決・承認されました。

経営陣の体制が固まりましたが、重要なのはこれから。
フジテレビがどんな取り組みを進めていくか問われています。

企業の危機管理にくわしい桜美林大学の西山守准教授に聞きました。

「フジ側の提案がほぼ通ったことは、スポンサーが戻ってくる環境につながるのではないか」とのご指摘。そして、「コンプライアンスの強化をしっかり定着させることが重要。改革案の成果がまだないので、進捗(しんちょく)状況をちゃんと発信していくことが重要」とお話をいただいています。

ここからは、中央大学法科大学院の野村修也教授とお伝えします。

青井実キャスター:
野村さん、今後のフジテレビに求められるものはどう考えていきますか。

中央大学法科大学院 野村修也教授:
きょうは1つの区切りとして、新しい取締役会の構成が決まったということなんですが、これが本当に求められている形でワークしていくのかどうかが非常に重要なポイントです。今回の選ばれた人たちの人員を見ていただければ、明確な特徴が1つあるんですね。それは社外取締役の人たちが過半数を占めているという、そこが1つの大きなポイントということになっています。日本の企業では非常に珍しくて、ほとんどは業務を執行する人と、プラス社外取締役が3分の1ぐらいいれば、ずいぶん社外者が多いよねということになりがちなんですが、今回過半数ですから、どちらかというと業務執行しない人たちが大勢を占めると。これはどんな仕組みになっていくのか。結果的には会社の業務執行をしっかり監視していくことを打ち出しているわけですから、どのような形で運用していくのか、今後問われていくと思います。

そして清水社長ですが、株主総会で新たな経営指針となる改革アクションプランについて説明しました。

「人的資本経営の推進」「攻めの事業改革」「資本の最適化」「ガバナンス改革」の4つの柱ですが、第1の柱では人権尊重を最優先とすることや企業風土を一新するための組織改革。

そして第2の柱では、コンテンツを基軸に多様な収益を獲得する真のコンテンツ・カンパニーへと進化させていくということを強調したわけです。

青井実キャスター:
パックン、今後のフジテレビに求めるものは何でしょう。

スペシャルキャスター パトリック・ハーランさん(パックン):
ガバナンスが一番注目されていましたが、ガバナンスは本来できて当たり前です。背景にあって、毎日意識しなくていいものなんです。事業の中心となるものはメディア。投票結果を見ても、皆さんが求めているのは、メディアカンパニーとしてのこの先の発展ですね。堀江さんも少し触れましたけど、テレビをやりたいといってもコンテンツだけじゃなくて、今、媒体が大きな課題になっています。ストリーミングもありますし、動画サイトもありますし、SNSもありますし、この新しいメディア環境でどうやって目的地までたどり着くのか、それがどこにあるのか。これからのロードマップを見せて、しっかり1つ1つ踏み続けていただきたいです。

青井実キャスター:
これからのテレビの形ということですが、野村さん、西山さんの指摘で「フジ側の提案がほぼ通ったことは、スポンサーが戻ってくる環境につながるのではないか」というコメント、どう見ますか。

中央大学法科大学院 野村修也教授:
会社に対するステークホルダーは複数ありまして、株主だけではないんですね。スポンサーの方々がどのような内容を求めているのかというと、これから企業としてきちんと収益を上げてもらうこと、あるいはここに宣伝効果があることを示せるかどうかがポイントだと思います。