殺人事件の裁判です。長野県茅野市の住宅で妹を殺害した罪に問われた男の裁判で、長野地方裁判所松本支部は懲役10年の実刑判決を言い渡しました。
茅野市の元会社員・伊藤雅史被告(50)は、2024年9月、自宅で寝ていた妹(当時42)の首などを包丁で複数回突き刺し、殺害したとされています。
6月16日の初公判で伊藤被告は、「間違いありません」と起訴内容を認めていました。
検察側は「父親に対する妹の金の無心や乱暴な言動に耐えられず殺害した」などと指摘し、懲役13年を求刑。
一方、弁護側は動機について「苦しむ父を楽にしてあげたかった」などと主張し、執行猶予付きの判決を求めていました。
24日の判決公判で廣瀬裕亮裁判長は、「被告に同情できる面がないとも言えない」とした上で、「生命を奪った結果は重大。殺害という最悪の選択をする前に他の手段で努力を尽くすべきだった」として懲役10年の実刑判決を言い渡しました。
判決後、父親は「娘への恐怖などが考慮されなかったのは残念で、判決は重過ぎる」などと話しました。