架空の投資話を持ち掛け、顧客から金をだまし取った罪に問われている生命保険会社元社員の男の初公判が開かれ、男は起訴内容を認めました。

詐欺の罪に問われているのはメットライフ生命元社員の小林貴則被告(39)です。

起訴状などによりますと、小林被告は2022年7月、顧客の女性に対し、「携帯電話会社の子会社の特別な社債の枠を持っていて、自分に700万円を預ければ、1カ月に14万円の配当が受け取れる」などと架空の投資話を持ち掛け、現金700万円をだまし取ったとされています。

長野地裁で開かれた初公判で、小林被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。

検察側は冒頭陳述で、被告自身が知人から同様の投資話を持ち掛けられ、それを顧客にも広めたことが犯行のきっかけだったとしました。

その後、知人からの配当の支払いが途絶えたため、自身の財産で顧客への配当を捻出し始めたものの、資金が底をつき、被害者からだまし取った金で補填を始めたとしました。

被害者はおよそ60人、被害総額は1億円に上り、だまし取った金は配当の支払いの他、生活費などに充てていたと指摘しました。

弁護側は、事実関係は争わず、情状酌量を求めていく方針です。

小林被告は被害者に対し、謝罪の気持ちを示しているものの、だまし取った金についてはすでに使い切っていて、「弁済できる資力がない」としています。

次の裁判は8月20日に予定されています。

長野放送
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