愛媛県内は24日も梅雨空。この時期に天気を気にせず楽しめるのが室内スポット。松山市内の県美術館では、作品展「森のなぞなぞ美術館6・あぜちさん、いしづちさん」がスタートしました。
この作品展は24日にスタート。「山の版画家」として知られる宇和島市三間町出身の故・畦地梅太郎さん、愛媛出身でイラストレーターの友澤健太郎さんの作品あわせて80点が展示されています。
注目は石鎚山が描かれた作品。畦地さんが木版画家として歩み始めたばかりの時に制作していて、最初に「石鎚山」を描いたものです。
県美術館・喜安嶺学芸員:
「畦地さんは版画を作るとき、自分が経験したことしか版画にしたくないというのをすごく大切に考えていた誠実な作家さん。自分の大事な折々に表現していく一番最初の作品と思って見比べていただくと、少し石鎚山を畦地さんの間にまだ距離があるな、初々しい2人の距離感があらわれている作品かなと思います」
そして畦地さんが晩年に描いた石鎚山からあふれ出るのは「ふるさとへの愛」。50年以上繰り返し表現し続けた境地といいます。
喜安嶺学芸員:
「畦地さんの80代を越えての版画家としての大らかさみたいなもの、積み上げてきたものをここに残そう、ふるさとの人に見てもらいたい。熱い思いもすごく伝わってくる作品だと思います」
また友澤さんは特別招待作家として作品を出展。ポップでユニークな作品が持ち味です。作品の一つがガラスに文字が記された力作。「石鎚山1982メートル」をローマ字と数字で表し、この文字の流れが石鎚山になっています。ローマ字は一つ一つがにかわいらしい人のデザインが施されています。制作は作品展の前日までかかったということです。
展覧会では珍しい休憩スペースも。室内に設けられたテントに入ってみたり芝生に座って作品を眺めたりできます。8月9日には、友澤さんがエントランスホールのガラスに絵を描く公開制作も行われます。
喜安嶺学芸員:
「友澤さんのワクワクも楽しみながら、畦地さんがどういう気持ちで石鎚山に向かったんだろうっていうのを感じていただいて、最終的には夏いい季節だからちょっと石鎚山登ってみたいなんて思ってもらえると、すごくうれしい」
この作品展は9月5日まで開かれています。
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