アメリカのトランプ大統領は、イスラエルとイランが停戦することで合意したと発表しました。
フジテレビ国際取材部の佐々木亮デスクと詳しく見ていきます。

トランプ大統領が発表した「完全かつ全面的な停戦合意」によりますと、日本時間24日午後1時にイランが停戦を開始、12時間後の25日午前1時にイスラエルが停戦を開始。
そして25日午後1時に戦争が終結し「世界が祝福されることになる」とトランプ大統領が発表しています。

さらにトランプ大統領は、日本時間の午後2時過ぎに「停戦が発効した」と自身のSNSで発表しています。

宮司愛海キャスター:
アメリカは週末、イランの核施設への攻撃に踏み切ったばかりですが、突然の停戦発表というのはどうしてなんですか?

国際取材部・佐々木亮デスク:
まず前提として、劣勢であったイランは早期の停戦を求めていたんです。一方で、イスラエル側も一定程度の核施設への攻撃の成果が出ていたので、そろそろ費用対効果等々も考えて停戦を模索するようなフェーズに入っていたところがあります。こうした中で大きなきっかけとなったのが、イランによる日本時間早朝に行われた報復攻撃になります。その報復攻撃ですけど、イランには様々な報復のオプションというのがあったんです。
例えば、「ホルムズ海峡封鎖」というような強硬な手段もオプションに入っていたわけですが、この中でイランが選んだのは、抑制的な形でのアメリカ軍の施設への攻撃を選んだと。これが大きなきっかけになったと分析されます。

宮司愛海キャスター:
事前通告もしていたということで“抑制的”という捉え方なわけですね。カタールを巻き込んでの停戦交渉ということですけれども、裏側ではどういったことがあったと考えられますか?

国際取材部・佐々木亮デスク:
たくさんの米軍の基地がある中で、イランは攻撃の対象にあえてカタールを選んだ。ここ注目ポイントでして、カタールというのは仲介をかなり売りにしている国で、イランの指導層とも非常に近い関係にあるんですね。そのためイラン側がカタールに対して、いわゆる仲介の役割をしてくれというふうな、促すようなメッセージも読み取れる。

青井実キャスター:
停戦の流れで気になるのが、イランが停戦してその12時間後にイスラエルが停戦するのですが、なぜ時間差があるのでしょうか。

国際取材部・佐々木亮デスク:
これは詳しい条件は今のところ分かっていないのですが、すでに双方の停戦というのは同じタイミングで発効しているとみられるんですね。ただ12時間というのは何なのかというところですが、多分裏側の話ではないかなと思います。イスラエル側が優勢に進めている中で、イランが攻撃を停止したことを見極めたうえでイスラエルが攻撃を停止するという、いわゆるプロセスというか手段といったものをトランプ氏がつまびらかにしたという、そういうふうにも見られるかなと。

宮司愛海キャスター:
本来裏側で行われるようなことが表に出てきたと。先ほど中継で空襲警報が停戦合意後もあったと言っていましたが、それはどう捉えたらいいですか?

国際取材部・佐々木亮デスク:
イラン側から攻撃が行われたという話が出ていますが、停戦前後というのはかなり散発的なこういったことがあるので、大きな流れとしては、今のところ停戦に向かっていく流れは、そこまでぶれるような感じではないかなと私は捉えています。

宮司愛海キャスター:
引き続き注視は必要だと思いますけど、スペシャルキャスターの石田健さんに聞きます。今回、停戦にはつなげましたが、アメリカのやり方は国際法違反と指摘する声もありますけれど、どう見ていますか?

SPキャスター・石田健氏:
当然、良くはないですよね。アメリカ国内でも、いわゆる“アメリカファースト”だったり、そういった政策を支持していた人たちからは、トランプ氏は「唯一戦争をしない大統領なんだ」というふれ込みのもと出てきたわけですが、今回の行動に関して失望は当然出ていると思います。加えて欧州ですよね。欧州は、そもそもイランとイスラエルの際にも「自国を守る権利だ」という言い方をして、ある種、攻撃に対しても中立的なのか、あるいは加担・容認するような動きを示してきた。これはアメリカと足並みをそろえる意味もあったと思いますが、国際社会を見る中で、こういった欧州の動きというのは懸念点だなと。

宮司愛海キャスター:
NATOの首脳会議も行われるということですので、どんなやり取りがあるのか注目したいと思います。