6月23日は慰霊の日です。
沖縄県内各地の慰霊碑で平和への祈りが捧げられています。
その沖縄にある島・与那国島から青井実キャスターがお伝えします。
与那国島は日本の最西端にある島のため、日が沈むのも一番最後ということで、まだ高い位置に日が昇っています。
戦後80年を迎えた沖縄、そして与那国島ですが、ここにも当時の戦争の傷痕が約8カ所、今も残っているそうです。
その中の1つ、島民の皆さんがそこに避難したという「ブナビダヤ」という自然の洞窟を取材しました。
「ダヤ」と呼ばれるところはとにかく暗く、外のことが分からないため、もし外で音がしたら不安になるのではないかと思いました。
沖縄の日差しはとても明るいため、暗さとのコントラストで怖さも感じました。
戦時中避難したブナビダヤの中で、子供たちは授業を受けていたという記録もあるといいます。
また、現在は学校の授業なども行われていて、戦争体験者からの聞き取りをもとに教えているそうです。
教育委員会の村松さんは「戦争は決して終わった話ではない」と、二度とそうならないように一緒に考えようと子供たちに記憶をつないでいこうとしていました。
そして今回、島でも数少ない80年前の戦争体験者の話、島民の皆さんの思いを取材しました。
島の住職(81):
(Q.いま、平和ですか)戦前の方がまだ平和やわ。(Q.なぜ?)平和すぎて恐ろしさがわからんから。想像できないでしょ?だけど突然(戦争は)やってくるから、それは。
島民(70代):
私は平和だと思うよ?今この時点で。外が騒いでいるだけで、与那国島としてはまだ何も起こってないという意味で。
島民(57):
外国のことだけでなくて、全ての面で平和ってことなんだけど、総合的に考えて平和かって考えたら、平和じゃないな。
島民(93):
(Q.与那国に暮らして90年?)93年になった。(Q.いま、平和ですか)今は平和。
いろんなことを皆さん語ってくださいました。
今回、慰霊の日ということで追悼式を取材して、その時に「平和への誓い」を話した中学生の言葉がありました。
「人は平和を想像すると必ず戦争や災害といった平和ではないことを一緒に想像してしまうと思います。それはみんなが平和ではない世界を知っているからです」という話です。
だからこそ「平和な世界を知っていくことが大切」だというメッセージがとても胸に響きました。
──与那国島の取材を通してどんなことを感じた?
まずは台湾有事について話を聞くと、ウクライナやイランなど世界各地の紛争を島民の皆さんは敏感に反応しているなと感じました。
今各地で戦火が続いている中ですが、長く平和を享受してきた日本で、ここ与那国では、台湾有事がいつ起きてしまうのか、それによって島民の皆さんに被害が及んでしまう可能性がゼロとは言い切れない状況が日常として意識されている、日々の不安というのを感じました。