22日朝、急展開を見せたイランとイスラエルの軍事衝突。
突然の攻撃から1週間余り。

映像からひもときます。

6月13日、イスラエルは1500km離れたイランのウラン濃縮施設があるナタンズを空爆。
大胆不敵な軍事作戦の鍵は。

フジテレビ・能勢伸之特別解説委員:
イスラエルの情報機関モサドです。本来、活動が表に出てこないモサド隊員たちのイラン国内での活動の映像を公開。イスラエルが時間をかけて標的の位置、破壊手段・通信などを徹底的に調べ上げ、計画を立てたと見せつけているかのようです。

もう一つは、地理的な問題をクリアしたことです。

イスラエルとイランの間には、ヨルダンやイラクなどが位置しているにもかかわらず、各国の防空システムをかいくぐったのです。

作戦成功の理由は、イスラエル国防省が公開した映像に映っていました。

フジテレビ・能勢伸之特別解説委員:
F-35Iステルス戦闘機です。日本やアメリカで運用されているF-35Aのイスラエルバージョンです。レーダーに映りにくい特性はそのままに、特別な燃料タンクでF-35Aより飛べる距離を長くし、空中給油なしでイランの奥まで往復できたのではとも指摘されています。

イランの防空システムを次々に破壊したイスラエルは、他の戦闘機も投入。

20日にはイラン上空で自由に活動し、イラン軍の軍事目標を攻撃していると宣言しました。

対するイランは、ドローンや弾道ミサイルを投入。
中でも、弾道ミサイル・エマードは弾頭が爆発するだけでなく、燃料や酸化剤を燃やして切り離された全長15メートル以上の巨大ブースターが空から落下してきます。

中には、猛毒の酸化剤が残っているかもしれないのです。

イランは400発もの弾道ミサイルを放ち、そのうち約40発がイスラエルの防空網をくぐり抜け着弾したとされています。

一方、イスラエル軍はミサイル発射装置破壊の映像を公開。
エマードミサイル用であることをわざわざ明示して、戦果を誇ったようです。

そして日本時間の22日朝、アメリカのトランプ大統領はフォルドゥなどイランの3カ所の核施設を爆撃したと発表。

フジテレビ・能勢伸之特別解説委員:
アメリカは地中深くの標的を狙える大型爆弾を投下できるB-2爆撃機を使ったわけですが、イスラエルがイランの防空システムを破壊し、イラン領空に入りやすい今が作戦のタイミングと判断したのかもしれません。そして現在、中東に向かっている空母ニミッツの艦隊の戦闘攻撃機や巡航ミサイルも使う可能性を匂わせて、トランプ政権はイラン側の譲歩を引き出す、そんな狙いがあるのかもしれません。