福島選挙区では5人の立候補が想定(6月19日時点)されている参議院選挙。福島テレビと福島民報社が福島県内の704人を対象に行った世論調査によると、県民の8割近くが「参院選に関心あり」と回答した。福島県の有権者はどんな点に注目しているのか?

物価高や子育て対策に期待

今回の選挙に期待することを街で聞いた。
一番の関心は『消費税』だという高齢男性は「まず消費税はなくしてほしい。苦しい、年金だから増えてないから一番こたえる」と話す。また『働く世代への手厚い支援を』という女性は「働き盛りの人や単身の方への保証がないというのは、つくづく感じている」と話した。

福島県民世論調査より
福島県民世論調査より
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さらに『物価高と子育てへの支援に期待する』という人は「給料がそんなに上がらないところでの物価高だから、生活が厳しい。子育ても重要視していただきたい」と話した。

直売所「コメ政策の安定化を」

福島県会津若松市のJA会津よつばの直売所「まんま~じゃ」は、“日本一うるさい直売所”と呼ばれている。購入した玄米をその場で精米してもらえるのが人気で、精米機の稼働音がいつも店内に響くからだ。多い日だと、店の売上の3分の1を占めるという。

精米前の玄米
精米前の玄米

まんま~じゃ・鶴水良店長は「東京や関東圏のお客様もガソリン代をかけても、こちらで購入した方が安いということで購入する方がとても増えた」と話す。
“令和の米騒動”の影響で、購入量を制限するなど対策を行っている。期待するのはコメ政策の安定化だ。

購入量を制限するなど令和の米騒動の影響も
購入量を制限するなど令和の米騒動の影響も

鶴水良店長は「備蓄米が流通すれば、値段が下がるかもしれないけど、物量的には一時的なものかなと。コメ農家が安定的に継続して作れるような政策を」と話す。

関心高いコメ価格と消費税

直売所を訪れていた利用者からは「消費税は0にしてほしい。なんでも高いし、物価も上がっていくばかりなので、少しでもそれで消費力も上がるのではないか」と話す。コメ農家の女性は「スーパーに行ってもコメないとか高いという話は聞くので、やはりみんなが困っているような状況は早く改善してもらいたい」と話した。

JA会津よつば直売所「まんま~じゃ」
JA会津よつば直売所「まんま~じゃ」

2025年6月13日と14日に福島テレビと福島民報社が共同で行った世論調査の結果では、投票で重視することについて半数あまりが「消費税減税や給付など物価高対策」と回答した。
コメ価格の高騰のように、いま目の前にある生活を何とかしてほしい、という切実な思いが見て取れる。

福島の復興・創生

参院議員の任期は6年だから先の見通しも必要だ。
福島では震災と原発事故からの復旧・復興が続いている。2025年度で「第2期復興・創生期間」が終了するが、6月13日に2026年度からの5年間には福島県分だけで今の事業規模を5000億円上回る1.6兆円があてられる案が示された。

復興・創生期間 2026年からは第3期に入る
復興・創生期間 2026年からは第3期に入る

これをもとに着実に復興を前に進めていくことと、さらに任期6年で「その次をどうするか」の舵取りが求められることになる。

選挙の風向きと課題

今回の参院選、福島選挙区では前回3年前と同じ5人が争う構図と見られている。
前回の選挙では、投票日2日前に安倍元総理が銃弾に倒れ、大きく風向きが変わった。そして、2024年の衆院選では政治とカネの問題で自民党が議席を減らすなど、本来の政策ではないところで風が吹いていることは否めない。

6月19日時点の立候補予定者
6月19日時点の立候補予定者

そして、課題になるのが投票率だ。参議院選挙での投票率の推移を見てみると、ここしばらくは50%台が続いている。
特に課題となっているのが若者の投票率で、19歳と20代前半の投票率は前回3年前の参院選で30%を割り込んでいて、福島県選挙管理委員会では、大学に期日前投票所を設けるなど対策を取っている。

福島県の参議院選挙投票率
福島県の参議院選挙投票率

参院議員の任期は6年。私たちの生活、これからの福島の行方を決める選挙でもある。7月3日公示、20日投開票と予定されている参議院選挙、皆さんの思いを貴重な1票に託してほしい。

(福島テレビ)

福島テレビ
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