首里城火災やコロナ禍など激動の時代に業界のかじ取り役を務めた沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長が、17日退任の日を迎えました。
沖縄観光コンベンションビューローで歴代最長となる3期6年に渡って会長を務めた下地芳郎さん。
沖縄観光コンベンションビューロー 下地芳郎会長:
いま思うこととすれば、非常に充実した、大変だったんだけれども充実した6年だったなというふうに思います
就任1年目となった2019年、沖縄観光はインバウンドの好調などを背景に入域観光客数がはじめて1000万人を突破しました。
しかしその同じ年、沖縄のシンボルである首里城が火災により消失。
下地会長は琉球大学の教授として観光の危機管理などを研究してきた知見を活かし、「見せる復興」をテーマに業界を束ね首里城の再建に取り組みました。
その後は誰も経験したことのないコロナ禍に直面。
沖縄観光は長期にわたって停止を余儀なくされ、業界の立て直しという重責を背負うことになりました。
沖縄観光コンベンションビューロー 下地芳郎会長:
どうやって旅行というものを実施してもらえるのか、受け入れをどうやって万全に取り組めるのか。非常に難しいタイミングでしたが、医療界、観光業界、様々な関係者の理解を得て何とか乗り切ってきたのかなというふうに思います
コロナ禍を脱し観光業が再び賑わいを取り戻す中、住民生活との両立に向け取り組んできたのが、観光目的税の導入。
しかし制度の設計を巡って県と市町村の足並みが揃わず、地域の理解や合意形成をどう図るかは、今なお大きな課題として残されています。
深刻な人手不足の解決策としてDXの推進にも力を入れてきた下地会長ですが、観光において最も重要なのは「人」のホスピタリティ、そしてそれをなせる高度な観光人材の育成だと話します。
沖縄観光コンベンションビューロー 下地芳郎会長:
持続可能な観光を支えるのに大事なのはやっぱり人ですよね。観光が夢のある産業だということで世界に向けてモデル地域になることが大事だと思っていますし、沖縄観光のポテンシャルはそれぐらい非常に高いものがあると思います
そして戦後80年の節目にあたり下地会長は、「観光は平和のパスポート。世界中の人々が違いを超えて交流することで平和につながる」と力を込めました。