昭和にブームとなったこのアナログレコードの人気が今、再び高まっています。
レコードをセットし針を落とすと…、プツプツ…。
1980年代の音楽はロックとポップスの黄金時代とも言われ当時、流行した曲のレコード人気がいま、再燃しています。
先月、富山市で開かれた中古レコードとCDの販売会。
北陸3県のレコード店などからおよそ4万枚が並びました。
慣れた手つきでお目当てのレコードを探す男性。
ファン歴は60年だと言います。
Ｑ.レコードの魅力は？
「音があったかい。CDも音はきれいだけど体で感じる音が違う」
中には若者の姿も。
＊若者は
「ゆらゆら帝国（解散したバンド）のレコードを探しに来た。ジャケットが飾れる棚を持ってるけどそれに飾るとかっこよくていいなと思って」
仲間とイベントを企画した長島和浩さんです。
経営するレコード店でもここ数年売れ行きに変化があると言います。
＊ディスクビート 長島和浩さん
「結構若い方も買われますよ。松田聖子とか中森明菜とか。あとキョンキョンとか」
往年のファンに加え、今、若者たちをも魅了する昭和のレコード。
長島さんはこのブームにのって、とっておきのレコードを目玉にしていました。
＊ディスクビート 長島和浩さん
「1989年に出たもので、この時代はほとんどCDの時代。（レコードが）あまり出回らなかったのもあって、人気もあるのでこんな値段に。14万8800円」
アナログレコードの生産量はピークだった1976年およそ2億枚、生産額は1980年には1812億円に達していました。
その後、CDの普及やデジタル配信サービスの台頭で、生産額は1億円台にまで激減し長らく低迷していましたが、令和を迎え人気が再燃。
去年のレコードの生産額は78億8700万円となり、35年ぶりに70億円を超えました。
長島さんがオーナーをつとめる富山市のレコード店です。
新譜のコーナーを覗くと…。
＊ディスクビート 長島和浩さん
「3カ月ぐらい前にCDが最初に出てて最近レコードになったもの。レコードで欲しいって方が結構いる」
ここ数年、アイドルやJ－POPなどのアーティストが新譜をCDとレコードで出したり、かつてのヒット曲が再発売されたり…。
それが生産を押し上げ、ファンの裾野が広がっているのです。
このブームで、来年創業100年を迎える老舗の販売店では、レコードプレーヤーの売れ行きが好調です。
価格は3万円台から数百万円まで！
若い世代からの問い合わせが増えているといいます。
＊クリアーサウンドイマイ 松井恵美さん
「どうやって鳴らしたらいいですか？というお問い合わせも結構いただいている」
父親や祖父から譲り受けたレコードを鳴らしてみたいという若者の来店も増え、この店ではターンテーブル用のベルトのかけ方やレコード針の取り換え方など初心者向けに取り扱い方の説明を行っています。
＊クリアーサウンドイマイ 松井恵美さん
「（若者は）A面B面という感覚もない。表が終わったら裏にひっくり返すって感覚もない。1からすべてこんな風に鳴らすんだよってお話ししている」
インターネットの発展でサブスクやストリーミング再生で手軽に音楽が楽しめる今、レコード人気が高まっている理由については。
＊クリアーサウンドイマイ 松井恵美さん
「（今は）1曲1曲を大事にするという感じが減ってきているように思う。レコードは針を落とす動作、ジャケットを愛でで楽しむ。音楽と向き合うのが大切になってきてるのでは」
再び、富山市のイベント会場。
レコードを楽しむ若者にも聞いてみました。
「サブスクとかで聞けちゃうのに対してCDやレコードを集めるのがみんなとは違うよって意識がある。あとシンプルにインテリアとしていい」
単に音を再生するだけではないモノとしての価値。
レコードが持つその存在感が、デジタル時代の今際立っているのかもしれません。
最近ではアジアなど海外でも日本のレコード人気が高く、これもブームを押し上げる要因となっているようです。
来月5日6日には富山駅で中古レコードとCDの販売会も予定されていて、ブームはまだまだ続きそうです。
