「ミシュランガイド」に掲載されたこともある和食の名店の経営者ら3人が、営業停止処分中、ノロウイルスに汚染された弁当を販売した疑いで逮捕されました。
16日午前、警察車両の後部座席に座り、真っすぐ前を見つめて警察署に入る男。
日本料理「喜一」の経営者、北野博一容疑者(69)です。
その約10分後、笑みを浮かべながら警察署に入ったのが、店長で息子の博稔容疑者(41)。
そしてもう1人が、博一容疑者の妻で女将の経子容疑者(68)です。
問題の集団食中毒の経緯は、2025年2月10日、店を利用した患者の便からノロウイルスが検出されたと医師から保健所に届け出がありました。
調査の結果、保健所は店が提供した食事による集団食中毒と断定。
そのうえで2月15日からの2日間、営業を停止するよう命じました。
にもかかわらず、捜査関係者によると3人は16日に仕出し弁当を作り、ノロウイルスに汚染された弁当11個を販売した疑いが持たれています。
営業停止期間中に作られたのは「六つ切り金剛幕の内」と「子供弁当」、合わせて11個です。
「六つ切り金剛幕の内」は煮物や天ぷら、刺し身など豪華な弁当になっていて、定価は税込みで1つ7268円と書かれています。
過去には「ミシュランガイド」に掲載されたこともあったというこの店。
なぜ営業停止期間中に弁当を作り、販売したのでしょうか。
北野博一容疑者は「喜一で私たちが調理し、仕出し弁当11個を販売した。ノロウイルスの危険性について認識が甘かった」と供述。
警察は、当時の状況を詳しく調べています。