デジタルを活用した学習指導。
生徒に寄り添い一緒に走る伴走者へと講師の役割が変わり始めています。
ずらっと並べられたタブレットに、デジタル教材と向き合う生徒たち…。
全学力帯において約9割の生徒が成績アップを実現しているという話題の塾。
講師の役割も、大きく変化していました。
コノ塾中神校・北野裕也教室長:
昔はどうしても“勉強を教える人”っていう感覚の方がすごく強くて、(現在は)今の状況をちゃんと見て寄り添うことにより、遠くまでちゃんと生徒が歩いていけるようにしてあげる。
AI時代に、先生の意識や求められるスキルの変化とは?
約3000種類の学習動画を独自開発。
テクノロジーとリアルな学習の場を融合させたハイブリッド学習塾という形式で個別指導を行う「コノ塾」。
講師歴3年の北野裕也教室長の、生徒たちが来る前の準備を見せてもらうと…。
コノ塾中神校・北野裕也教室長:
先週・今週で(生徒の学習履歴が)見られる。数字が下がってしまっている生徒はピックアップして声かけなきゃいけない。すごく何かメンタルの波があったりしてやれてないなというのがわかる。(具体的に)数字にあらわれるので。
最先端のデジタルツールを駆使し、生徒ごとにどこでつまずいたか苦手部分を「見える化」。
講師は「何を教えよう」という“ティーチングマインド”から、「誰と何を話そう。前向きに何を伝えよう」という“コーチングマインド”にシフトしていたのです。
コノ塾中神校・北野裕也教室長(1ON1):
唯一ここだけが確認テストでミスってる。逆にここしかミスってないのはすごいんだけど、1問のミスを減らすためにどうしたらいいかという勉強ができるといい。単語を覚えるのは結構うまくいってる。文法でスペルミスするとか、そっちで気をつけていければいい。
受講生:
改善したりするところを的確に伝えて、成績アップにもつながってくる。なにかあったら、とりあえず北野先生に話してみようと。
DXにより講師に求められる新たな役割、そして新たなやりがいと存在意義。
コノセル・田辺理代表:
教える部分はデジタルに寄っていって、人間に残るのが“伴奏者”。子供が成長する環境を整えて、成長しているところをちゃんと見つけて、褒めて。たまには発破をかけて。子供が成長できる。伴奏者により寄っていくというふうに考えています。
2025年4月からは「先生の駆け込み塾」と題し、“塾と学校が学び方を共有する”という、これまでにない取り組みも開始。
令和の時代における「教える」ことに悩みを抱える現役の学校の先生を対象に、「データを活用した個別最適な伴走型指導」を体験、学ぶ機会を設けています。
コノセル・田辺理代表:
AIが出した答えを、僕らの生きているリアルな社会とつなぐのが人間にしかできない仕事として残ると思うので。パソコンを使って仕事をするようにAIに助けてもらいながら、今までやってきた価値を出すということに人間がより向き合えるようになるんじゃないかなと、僕のベースの考えにはなっています。