中古車販売店が突然閉店し、波紋が広がっています。

購入したのに納車されず、返金も無し…

福岡でも怒りの声が。

◆中古車を契約した30代の男性
「購入した車が、マツダの『アテンザ』というセダンの車になります。補償とかいろいろ込みで80万円弱ですかね」

福岡県北九州市に住むこちらの30代の男性は、去年12月、朝倉市の中古車販売店で真っ赤なセダンタイプの車を総額80万円ほどで購入しました。

当時、説明された納車の予定時期は2月末。

しかし…

◆中古車を契約した30代の男性
「(料金を)振り込んでから1回もお店から連絡がなくて。ずっとこちらから『いつになりますか?』と1週間だったり2週間おきに連絡して」

問題の中古車販売店の名は「カーネル」。

「中古車最安ナンバーワン」をうたい、朝倉市や北九州市を含む全国14カ所に店舗を展開しています。

結局、4月になっても納車されず、男性は注文をキャンセル。

しかし今度は一向に返金されません。

男性はたまらず運営会社の社長とやりとりを始めましたが…

<4月30日の電話のやり取り>
◆社長
「きょうご入金の予定だったんですけど、あさって2日にご返金させていただけると思っていまして、本当に申し訳ないです。何度も」
◆中古車を契約した30代の男性
「2日は何時ごろにご入金される?」
◆社長
「15時までお時間いただければと思います」

<5月2日の電話のやり取り>
◆社長
「すみません、5月8日には完璧にご返金させていただきます」
◆中古車を契約した30代の男性
「きょうっていう約束だったじゃないですか?」
◆社長
「そうです。きょうというお約束をさせていただきまして。本当に何度もすいません。これで最後になりますので」

しかし「最後の約束の日」だった5月8日にも振り込みはありませんでした。

◆記者リポート
「ありました。看板がありますね、カーネル。まだナンバーのついていない車がたくさん止まっています」

TNCは12日、朝倉市にある店舗を訪れました。

敷地内には値札が付いたままの車も。

さらに…

◆記者リポート
「見てください、この車、ご成約済みと書かれています」

事務所はカーテンが閉められ、誰もいませんでした。

◆近所の人
「ゴールデンウイーク明けにはこういう状態になっていたと思う。もしかしたら、つぶれたんじゃないかという話をしていた」

店舗に電話してみると…

<電話スピーカー>
『おかけになった電話はお客さまの都合により通話ができなくなっております』

別の取材班が広島の店舗を訪れたところ、事務所には「資金難で本社からの入金がなく納車ができない」として閉店を告げる貼り紙がありました。

カーネルを巡る被害は全国に広がっています。

◆自動車生活ジャーナリスト 加藤久美子さん
「カーネルの被害者は150人から200人くらいかなと思います。一番やっかいなのが、社長が逃げ隠れしてないんですよ。『いつ融資が下りるから、そうすれば皆さんに車を納車できます』とか『返金できる』とか、うそがすごい」

カーネルの元従業員によりますと、今年2月からは4カ月分の給料が未払いになっていたといいます。

一方、朝倉市の店舗で真っ赤なセダンを購入した男性。

いまだ返金もない中、運営会社の社長からこんなメッセージが…

<社長からのメッセージ>
『来週、新しい弁護士を選任しますのでお待ちください。また、来週にはご返金のスケジュールもご提案できると思います。今しばらくお待ちください』

◆中古車を契約した30代の男性
「正直、怒りしかない。裁判所を通して催促をこれから進めたり、警察署にも時間があれば行って相談してみようかなとは思っています」

このトラブルを受け、現在、一部の被害者が集団訴訟の準備を進めているということです。

テレビ西日本
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