生鮮カツオの水揚げ日本一を誇る宮城県気仙沼市では、カツオをタタキにして全国に届ける直送便の発送が6月12日から始まる予定でしたが、カツオが確保できず、急きょ延期されました。今後のカツオの見通しは?

12日朝の気仙沼市魚市場。水揚げされていたのは…

記者リポート
「一本釣り漁船の水揚げですが、次々と揚げられるのはビンナガマグロで、カツオの姿はありません」

夏漁の花形とも言われるカツオ、ではなく、ビンナガマグロ。カツオと同じ漁の方法でとれることに加え、加工製品として安定した価格がつくことから、今は好調なビンナガを狙う漁師がほとんどだそうです。

カツオはというと…。

漁労長
「カツオの群れが見えない状態で、この先の見通しは本当にわからない」

5月17日に今シーズンの初水揚げとなりましたが、6月11日までの水揚げ量は44トンで、去年の同じ時期の965トンと比べ、わずか4パーセントに留まっています。

気仙沼漁業協同組合 臼井靖参事
「去年はビンナガがとれなくて、今頃はカツオ漁が進んでいたので、去年よりもカツオがかなり少ないが、6月中旬なので今からカツオ漁が始まってくる」

地元ではすでに影響が出ています。12日に予定されていた、生のカツオをタタキにして全国に届ける直送便の発送が、急きょ延期になりました。

この商品はその日水揚げされたカツオを使うのが“売り”で、12日は第一便として500セットを見込んでいましたが、調達できなかったということです。

気仙沼郵便局 畠山真郵便部長
「10日現在で約1500セットの申し込みをもらった。漁が安定して水揚げが続いて、いち早く発送ができればいい」

一方、こちらは市内の鮮魚売り場。店頭にカツオはありますが。

気仙沼お魚いちば 小野寺浩之事業部長
「ビンナガに混じってカツオがいくらか水揚げになったので、本当にたまたまある感じ。カツオのたたきや、生のカツオを買っておいしかったという客が、今年もこの時期は大丈夫と思って来るが、今年に関しては遅れている」

漁業情報サービスセンターによりますと、今シーズンの水揚げ量は沿岸域での海水温が低い状態が続くと見られることから、過去20年で最も低い水準になる見通しだということです。

生鮮カツオの水揚げ29年連続日本一を目指す気仙沼市。これからの漁に期待がかかります。

仙台放送
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