岩手県一関市の公共工事を巡る官製談合事件で、市の元職員ら2人に対する控訴審判決です。
仙台高等裁判所は執行猶予付きの有罪判決とした一審の判決を支持し、控訴を退けました。

判決を受けたのは一関市の元職員・金今進被告(61)と、市内に本社があるフジテック岩手の元代表取締役・千葉登美夫被告(73)です。

判決によりますと、金今被告は一関市建設部の参事だった2022年度から2023年度にかけて市が発注する工事の入札情報を業者に漏らしていました。

また千葉被告は金今被告からの情報をもとに会社の元役員である娘と共に工事を不正に落札していました。

2024年12月、一審の盛岡地裁は金今被告に懲役1年6カ月・執行猶予3年、千葉被告に懲役10カ月・執行猶予3年の判決を言い渡しましたが、2人は量刑を不服とし控訴していました。

6月10日の控訴審判決で仙台高裁の加藤亮裁判長は、金今被告について「自由な競争を阻害し故意の犯罪行為を繰り返した」、千葉被告について「格別に有利な状況で競争入札に参加していて、悪質」と指摘。いずれも量刑が重すぎるとは言えないとして控訴を棄却しました。

千葉被告は判決後、取材に応じ、内容を精査したうえで上告を検討する考えを示しました。

また一関市の佐藤善仁市長は「判決を重く受け止め再発防止策を着実に進める」とコメントしています。

岩手めんこいテレビ
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