刻々と近づく夏の参院選。公示日として有力視される7月3日まで残り1カ月を切る中、立候補予定者は支持拡大を訴え、火花を散らしている。1議席の新潟選挙区では、女性3人が立候補を表明。元五輪メダリストに現職と新人の3人が支持拡大へ奔走している。
知名度生かし支持拡大へ 自民・中村真衣氏「新潟に新しい風を」
6月7日、新潟県内のスポーツ団体を集めた会合でそれぞれの課題に耳を傾けていたのは、競泳の元オリンピックメダリストの中村真衣氏だ。夏の参院選に自民党公認で立候補を予定している。
「スポーツのイベントであり、色んな事業というのは、やはり一人ではできずに多くの皆様の支えが必要となってきている。そういった意味でも、やはり政治の力も不可欠なのではないかなと思っている」
新潟県第一号の県民栄誉賞を受賞するなど知名度や得意のスポーツ分野での人脈なども生かし、議席奪還に向けて支持を広げようと活発に活動を展開している。
「皆さん、『アスリートだから体力はある』と言われるんですけど、一応人間なのでね。頑張ります」と笑顔を見せる中村氏。
この日は、中曽根元総理の孫で現在、党本部の青年局長を務める中曽根康隆衆院議員も応援に駆けつけた。
中曽根衆院議員は「反省して同じ過ちを繰り返さないで、生まれ変わった自民党として、これから新潟の未来のために、国の未来のために、子どもたちのために自民党はしっかりとその仕事をさせていただきたい」と訴える。
党が組織を挙げ、政治経験のない中村氏の支援に力を入れる一方で、政治とカネの問題などをめぐり吹く逆風には危機感を持ち、刷新感を前面に押し出す。
こうした現状に中村氏も「ご挨拶回りをしていても本当に厳しいお言葉もたくさんいただく。新潟に新しい風を吹かせられるように、精いっぱいまい進してまいりたい」と話す。
国会での実績アピール 立憲・打越さく良氏「自民党政治は地域支えられない」
その自民党への逆風を自身の追い風にしたいのが、立憲民主党の現職・打越さく良氏だ。
「やはり、自民党では叶わないお一人お一人の多様な幸せ、それを支えていく。政治もこの新潟から7月の参議院選挙を機にさらに前へ進めていきたい」
6月1日の事務所開きでは、支援団体の連合新潟や推薦を決めた社民党などが駆けつける中、現職としての国会での実績をアピール。
党本部からは岡田克也前幹事長が応援に訪れた。
岡田前幹事長は「今度の参議院選挙は、その色々変わってきたことをさらに一歩前に進めるのか、それとも、もう一回後退して元の木阿弥となるのか、そういう大きな分岐点の選挙だと」と訴える。
前回は無所属で出馬し、野党共闘で勝利した打越氏。
この日姿はなかった共産党も今回、支援に前向きな姿勢を示すが、岡田前幹事長は「なるべく幅広くと私は思っているが、それぞれの地域の事情もある。地域の状況を踏まえて、新潟には新潟のやり方ということだと思う」と話し、立憲民主党新潟県連代表の西村智奈美衆院議員は「後援会を中心に総合選挙対策本部を結成していただいた。そこが中心になって選挙を動かしていく」と話す。
こうした中、「他党の候補に対する推薦・支持等は行わないということで」と話すのは、国民民主党新潟県連代表の上杉知之県議だ。
共産党との距離を置く国民民主党は、支援に慎重な姿勢を示すなど野党間の連携のあり方には課題も残している。
打越氏は「相手候補というよりも、やっぱり自民党政治というものは地域を支えることができないと思っているので、しっかりとその訴えを重ねていく。それに尽きると思う」と話す。
党の浸透図る参政・平井恵理子氏「食品だけではなく消費税廃止を」
ここに割って入ろうとするのが、参政党から立候補を予定している平井恵理子氏だ。
「農業のこと、林業のこと、水産業のこと、1次産業のこと、もう少し本気で考えなければいけないと考えています」
この日は、ほかの候補予定者と同じく人通りの多い新潟市中央区でマイクを握り、党の浸透を図っていた。
平井氏は「食品だけではなくて消費税を廃止。あとは子育て支援の問題と農業の問題。選択的夫婦別姓は参政党は反対なので、そこも訴えていきたいと思っている」と声を上げる。
様々な国の課題が山積する中、迎える参院選。刻一刻とその時が迫る中、候補予定者の動きが加速している。
（NST新潟総合テレビ）
