島根県出雲市を拠点にしている女子サッカーチーム「ディオッサ出雲FC」で、ブラジル人の選手2人が、監督からハラスメント行為を受けたと訴えている問題で6月9日、選手側がチームと監督を相手取り、合わせて340万円の損害賠償を求める訴えを松江地裁出雲支部に起こしたことを明らかにしました。

選手側代理人・藤塚雄大弁護士:
「これまでの被告、堺監督の代理人を通じての行動というのが猛省どころか反省もないし、当方に対する攻撃的な姿勢を貫かれておりますので、これは訴訟で解決するしかない」

出雲市で開かれた9日の会見には、代理人の弁護士のほか、ハラスメントを受けたと訴える2人の選手もオンラインで出席しました。
このなかで、代理人の弁護士はチーム、監督のそれぞれに対し、ハラスメントや差別的行為による慰謝料と通訳手配の義務を果たさなかったことによる損害賠償として、合わせて370万円の支払いを求める裁判を9日、松江地裁出雲支部に起こしたことを明らかにしました。

女子サッカーなでしこリーグ2部に所属する「ディオッサ出雲FC」では、2024年11月、当時所属していたブラジル人選手2人が、監督やコーチからポルトガル語で性的な言葉を投げかけられるなどハラスメント行為を受けたとしてなでしこリーグに告発。
リーグ側は監督に対し、活動停止などの重いペナルティが必要だと判断し、上部組織の日本サッカー協会に報告し、処分を委任しました。

これを受け、日本サッカー協会は2025年4月、客観的証拠がないとして「懲罰を科さない」とする決定を出しました。
代理人弁護士は、告発した選手がこの決定に異議を申し立てられないため、提訴したとしています。

2人の選手は告発後、契約満了に伴い退団し、現在は海外のクラブでプレーしています。

ラウラ選手:
「精神的に私はまだ悪い状態で鬱になっていて、精神科にも通っていて残念だと思いました」

フェヘ選手:
「今のチームでも影響が出ている。非常に残念なことで、いい方向で解決したい」

提訴について、ディオッサ出雲FC側は訴状が届いていないので「ノーコメント」としています。

TSKさんいん中央テレビ
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