警戒レベルを上から2番目に据え置き

東京都のきょうの新型コロナウイルス「モニタリング会議」では、感染状況については、新規陽性者数の7日間平均などは減少しているものの、連休で検査数自体が減ったためで、今後、急速に感染が拡大することへの懸念があるとして、警戒レベルを上から2番目の「感染の再拡大に警戒が必要」に据え置いた。

感染経路別では、ここ最近の傾向と変わらず全ての年代で家庭内感染が40%と最も多く、中でも10代以下は75.8%、特に10歳未満では80%が家庭内感染だった。一方で10代以下の保育園・学校など教育施設での感染は減少を続けており14.5%になった。

医療体制については「医療機関への負担が軽減することなく長期化している」として、こちらも先週と同じく上から2番目の「体制強化が必要」とした。

東京都医師会の猪口副会長は「私見ですが」と断ったうえで次のように続けた。
「私たち医療機関はいかに持ち込まないかということで生活を普段から感染しないよう徹底しているが、それでも施設に持ち込まれてしまうのが現実」

4連休は人出が戻った
4連休は人出が戻った
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ある都庁幹部は、病院によっては今でも不要不急の外出を控えるように言われる等、医療従事者の現状を思うと、4連休で観光地が賑わう様子を「ニュース映像を見るたびに、複雑な気持ちになる」と話していた。

GoToトラベル事業に「都独自で割引」正式表明

今日はモニタリング会議後に小池知事は、国のGoToトラベル事業に、さらに都独自で割引を上乗せすることを正式に表明した。

助成額は一泊あたり5000円、日帰りについては1回あたり2500円で、GoToとの併用で宿泊については1人あたり最大で2万5000円の助成が可能となる。

国の事業との違いを小池知事はこう強調した
「今回都が補正に追加するのは都民が都内を観光すること。都の医師会が言っているマイクロツーリズムそのもの。国のGoToキャンペーンはオールジャパン」

そして、「親しき仲にも礼儀ありではないですけれども、親しき仲にもマスクあり」と感染予防の徹底を改めてよびかけた。

来月から経済対策が始まる中、ある幹部は「インフル流行前に下がるだけ下がってほしかった」として、感染者数が思ったより減らないうちに“次の波”を迎えることになる不安な胸の内を明かした。

「経済を重視すると言うことになると高齢者にいかに感染させないかということで、日頃の生活の中でそういう覚悟が必要」と東京都医師会の猪口副会長は会議の中でクギをさしたが、都民はその“覚悟”をもってのぞまないといけないのだろう。

(執筆:フジテレビ社会部 都庁担当 小川美那)

小川美那
小川美那

「お役に立てれば幸いです」 見てくださる皆さんが“ワクワク&ドキドキ”しながら納得できる情報をお伝えしたい! そのなかから、より楽しく生き残っていくための“実用的なタネ”をシェアできたら嬉しいなあ、と思いつつ日々取材にあたっています。
フジテレビ報道局社会部記者兼解説委員。記者歴20年。
拉致被害者横田めぐみさんの娘・キムヘギョンさんを北朝鮮でテレビ単独取材、小池都知事誕生から現在まで都政取材継続中、AIJ巨額年金消失事件取材、TPP=環太平洋経済連携協定を国内外で取材、国政・都政などの選挙取材、のほか、永田町・霞が関で与野党問わず政治・経済分野を幅広く取材。
政治経済番組のプログラムディレクターとして番組制作も。
内閣府、財務省、金融庁、総務省、経産省、資源エネルギー庁、農水省、首相官邸、国会、財界(経団連・経済同友会・日商・東商)担当を経て現在は都庁担当。