俳優の大東駿介さんが、関西の街を歩きながら魅力を学ぶ「発見!てくてく学」。
大阪駅周辺はかつて低湿地帯でした。その一帯を埋め立てて田園地にしたことから「埋田」と名付けられたのが、「梅田」の始まりだと言われます。
今回、大東さんが訪れたのは、梅田を象徴する巨大雑居ビル群「大阪駅前ビル」。大阪万博が開催された1970年に第1ビルが誕生し、1981年には第4ビルまで完成。地下の2フロアは飲食店を中心にさまざまなジャンルの店が軒を連ね、多くの人でにぎわっています。
■大阪駅前第1ビルには“不思議なつなぎ目”
第1ビル5階のオフィスフロアに行くと、フロアのちょうど真ん中あたりの天井に不自然なつなぎ目があります。実は第1ビルは、半分ずつがつなぎ合わされた、珍しいビルです。
1968年の12月にまず西側の半分が完成。1年間この状態のまま、店舗や事務所が入って営業していました。そして1970年に東半分が完成し、各フロアをつないで1つのビルになりました。
大阪駅前第1ビル振興会の山村建也会長によると、土地の買収が間に合わず、買収できたところから建て始めたのだと言います。
地下1階にある「喫茶マヅラ」は、西半分ができた時からある老舗の喫茶店。創業者の娘で、当時からここで働いていた劉由紀(りゅうゆき)支配人に店内を案内してもらいました。
最初にできた西半分は、落ち着きのあるシックな空間で、まず1年間営業。その後にできた東半分は「宇宙船」がテーマの近未来感あるデザインとなっています。最近のレトロブームも手伝って、幅広い年齢層のお客さんでいつも満席です。
■あまりの人気で閉店した“絶品ペペロンチーノ店”
続いて第4ビルの地下1階。
ペペロンチーノ専門店「ぺろん本店」は人気がありすぎて、大変な運命をたどったといいます。
2024年3月に第1ビルでオープンした店は、地下2階から地上まで行列ができ、最長5時間待ちになったそうです。周りの迷惑も考え、わずか4カ月ほどで閉店。2024年12月に第4ビルの人通りの少ない場所をあえて選んで営業を再開しました。
もともと別のお店をしていたときに、まかないとして出していたペペロンチーノ。スタッフに元気になってほしいと、ニンニクをたっぷり使い、魚介中心のダシを合わせるのがポイント。ニンニクはガツンと効いているのに、まろやかで食べやすい、絶妙なバランスになっています。お好みで20種類以上あるトッピングを選べるのも人気の秘密です。
■意外な効果も 大阪で唯一のオルゴール専門店
最後は第1ビルの3階です。
50年の歴史がある「ルヴィーブル」は、大阪唯一のオルゴール専門店。欧米や日本の一流メーカーが作る製品を中心に、販売、修理、アフターフォローまでを行っています。
代表取締役の佐伯一成さんによると、ヨーロッパでは赤ちゃんへ子守歌のように、毎晩聴かせてあげる文化があるそうです。
店の奥には、年代物のオルゴールが展示されています。200年以上前にスイスで誕生したオルゴール。複雑な機構を得意とする時計職人たちが、様々な仕組みを考え出しました。
この店では、オルゴールが身体に与える癒やしの力を長年研究しています。頭の部分が音を反響させる箱のようになった特別なベッドでオルゴールを聴くと、すごいリラックス効果が得られるといいます。
体全体で空気から伝わる音の振動を受けて、耳では捉えられない周波数が脳を活発にし、様々な効果が期待できるのだそう。この店では「オルゴール療法」というセラピーも行っています。
【大東駿介さん】「めちゃくちゃいいわ。温泉から出たあとみたいな感覚に近い。体がわずかな振動に対応する体になって、神経が機能し始める感じがします。オルゴールの音色には立体感があると、このベッドに入ってより感じます」
▼大東さんの“発見”の全ては、動画でじっくりお楽しみください。
https://youtu.be/U8xSlDuLdtc
(関西テレビ「newsランナー 大東駿介の発見!てくてく学」 2025年5月29日木曜日放送)