随意契約による備蓄米の販売が北海道でも始まります。
しかし、高騰しているのはコメだけではありません。
コメを原料とするみそなども値上がり。
ダブルで家計を直撃しています。
コンビニで備蓄米の販売始まる
6月5日から始まった大手コンビニでの備蓄米の販売。
「ローソン」では1キロと2キロの小口で販売しました。
「近所なので買ってみようと思った。とてもラッキー」(買い物客)
北海道の「ローソン」の店舗では6月14日からの販売予定です。
当初は2キロ入り756円のみを取り扱います。
さらに…。
「工場で安全をチェックして、OKが出たらその日に精米。午前早くに入荷した場合は午後から販売できる」(松原米穀 松原昌子専務)
札幌市東区の「松原米穀」では、6月10日から対面販売します。
価格は5キロで2150円。
本社のほか江別市の倉庫でも販売し、予定数量に達し次第終了。
また、通販サイトや宅配での販売も行います。
コメだけじゃない!加工品にも影響が―
割安な備蓄米が流通し始める一方で、コメを主な原料とする加工品にも影響が出ています。
みそなどを製造する北海道の企業の協同組合によりますと、原材料の玄米は1キロあたり2024年は185円だったのが、2025年は250円に値上がりしているといいます。
物流コストなどの高騰の影響で、みその価格は年々上がり続けています。
コメの値上がりがそれに拍車をかけるのではないかと、業界団体では気をもんでいるのです。
このような声を受けて小泉進次郎農林水産大臣は。
「みそなどの関係者からも影響が出ていると聞いているので、この分野についても農水省としてできることを考えたい」(小泉進次郎農水相)
加工業者や日本酒メーカー向けに備蓄米の放出を検討していることを明らかにしました。
備蓄米はすでに食用として61万トンの放出が決まっていますが、残りの30万トンの一部を活用するとみられます。
しかし、備蓄米の使用にはある懸念が。
「北海道内の会社は北海道米を使用しているところがほとんどで、これまで備蓄米がまわってきた会社は、産地設定ができないと北海道米と明記できないとの理由で使うところがなかった」(北海道味噌醤油工業協同組合 石川一雄事務局長)
備蓄米は産地が特定できないため、それを使うことに消費者の理解が得られないのではないかという懸念があるのです。
また、日本酒の酒蔵では…。
「コメは1俵あたり9000円から1万円の値上げです。うちでは10パーセントくらい価格を上げています」(三千櫻酒造 杜氏 山田耕司さん)
北海道東川町の「三千櫻酒造」も原料のコメの高騰に苦しんでいました。
備蓄米の活用については。
「放出されるのが『古古古米』というのであれば、少なくとも私の蔵では使用できません。品質が悪くなるからです」(三千櫻酒造 杜氏 山田耕司さん)
食用以外の備蓄米の活用。
需要がどの程度あるのか、見通せない状況です。