兵庫県の情報漏えい問題を受け、斎藤知事は自身の給与を50パーセントカットする条例案を提出した。
県議会からは情報漏えいの責任について厳しい追及が相次いだ。

■「情報漏えい」議会から追及に知事は一貫し自らの指示を否定
6月6日に開かれた、兵庫県議会。
自民・橘秀太郎兵庫県議:秘密漏えいが認定されるとともに、知事および副知事のの指示のもとに行われた可能性が高いとの見解が示され、県民の疑念は深まるばかり。
斎藤元彦兵庫県知事:前総務部長に指示をしたことはございませんが、情報漏えいが生じたことは重く受け止めております。
元側近による「情報漏えい」について議会から追及を受けた斎藤知事。

5月、県の第三者委員会は、知事のパワハラなどの疑惑を告発した元県民局長の私的な情報を当時の総務部長が漏えいしたと認定し、さらに「知事らの指示の可能性が高い」と指摘した。
しかし知事は一貫して自らの指示を否定している。

■県議会から責任を問う声相次ぐ 知事は変わらず辞職を否定
そのうえで、6日…。
斎藤元彦兵庫県知事:行政の長として責任を重く受け止め、自分自身への処分として給与減額の割合の引き上げを行わさせていただきたい。
情報漏えいの責任をとり、現在30パーセントカットしている給与を、7月から3カ月間、50パーセントカットする条例案を提出した。
知事の指示はあったのか、なかったのか。真相が解明されない中で条例案が示され、県議会からは責任を問う声が相次いだ。

ひょうご県民連合・小西宏典兵庫県議:私的情報の漏えい行為を知事の指示のもと業務として行っていた、信じられないこと。減給処分ではなく自ら辞職することを求めますが、知事はご自身で辞職をするつもりはありますか?

斎藤元彦兵庫県知事:しっかり県政を前に進めていくことが私の責任。
これまでと変わらず辞職については否定した。
条例案は多くの議員から反対の声があがり、一部会派は6月12日の採決に応じない考えを示していて、問題の収束は不透明となっている。

■「幹部3人が『指示があった』と認識するような状況を作った責任は知事にある」
斎藤知事と兵庫県議会が対立している。
知事としては給与を3カ月間50パーセントカットする条例案を提出したが、これに対して議会では「これで幕引きはいけない」「辞職すべき」と反発している。
斎藤知事の責任について、京都大学大学院・藤井聡教授は「幹部3人が『指示があった』と認識するような状況を作った責任は知事にある」と述べた。
京都大学大学院 藤井聡教授:まず県議会の皆さんの『反対』、『辞職すべき』、『幕引きはいけない』という反応は、極めて当たり前の反応だと思います。なぜかというと、今回は個人の情報が漏えいしたという事実があり、その『上司であったということを重く受け止めて給与をカットする』と斎藤知事は言っているわけです。

京都大学大学院 藤井聡教授:知事が言及していないのですが、事実として明らかになっているのは、前総務部長、現総務部長それから当時の副知事、この3人が知事からの指示があったという認識があり、その認識のもとで情報が漏えいしたということです。
京都大学大学院 藤井聡教授:仮に漏えいを指示したことがあるかないかを不問に付したとしても、幹部中の幹部3人が『指示された』という事実の認定のもと、情報漏えいしているわけですから、この責任は極めて重たいですよね。

京都大学大学院 藤井聡教授:ですから何があったのか明らかではないとしても、幹部3人が『指示があった』と認識するような状況を作った責任は、知事にあることは確実です。漏えいされたという事実だけの責任で、給与カットというのでは、当然誰も納得できないのではないかと、私は思います。
斎藤知事には、県議会や県民の声をしっかりと受け止めて、対応していただきたい。

(関西テレビ「newsランナー」 2025年6月6日放送)