福島第一原発事故をめぐり、東京電力の株主が旧経営陣に対して東電へ賠償するよう求めた株主代表訴訟で、東京高裁は賠償を命じた一審の判決を取り消し、株主側の逆転敗訴を言い渡しました。
この裁判は、福島第一原発事故で東京電力に巨額の損害を与えたとして、株主42人が旧経営陣ら5人に対し、およそ23兆円を東電に支払うよう求めたものです。
一審の東京地裁は2022年、「安全対策を何ら行わず津波対策の先送りをした」と旧経営陣の責任を認めたうえで、勝俣恒久元会長ら4人に13兆円あまりの賠償を命じました。
東電の旧経営陣個人の賠償責任を認める初の司法判断で、双方が控訴していました。
東京高裁はきょう、13兆円の賠償を命じた一審判決を破棄し、旧経営陣らの責任を否定して賠償を認めない判決を言い渡しました。