韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の罷免に伴う大統領選挙は3日午後8時に投票が締め切られ、革新系野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)候補が当選を確実にしました。
韓国の主要メディアが先ほど報じました。
李氏は「共に民主党」の前代表で60歳。
貧しい家庭で育ったため、中学と高校には通えず、少年工として働きながら苦学の末に司法試験に合格しました。
その後、人権派弁護士として活躍し、ソウル近郊の城南市長や京畿道知事を歴任。
前回2022年の大統領選挙で「共に民主党」から立候補し、尹錫悦前大統領にわずか0.7ポイントの僅差で敗れました。
今回の選挙戦では、尹前大統領による「非常戒厳」を「内乱」だと強く批判し、世論調査ではトップを維持し続けてきました。
尹前大統領の「非常戒厳」を受け、多くの有権者が変革を求め政権交代を後押しした形です。
李氏は2回目の挑戦で当選を勝ち取り、3年ぶりの政権交代となります。
過去には「日本は敵性国家」と発言するなど反日姿勢を鮮明にしていましたが、今回の選挙が近づくと「日本に対する愛情は非常に深い」と述べ、選挙戦でも日韓関係を重視する姿勢を示していました。
日本の外交筋も「今の良い日韓関係をいきなり壊すことはしないだろう」と見つつも「世論に左右される可能性がある」として、李氏の言動を警戒しています。
李氏は5件の刑事裁判を抱えていて、政権運営にも影響を与える可能性があり、難しい舵取りを迫られます。