政府は3日、首相官邸で知的財産戦略本部の会合を開き、「知的財産推進計画2025」を決定した。日本の知的財産の国際競争力を高め、国際的ランキングで再び4位以内を狙うことなどを盛り込んだ。
計画では、人工知能(AI)技術の進歩と知的財産権の保護の両立を図ることを目的とした方策を検討することを柱とする。
具体的には、ネットワーク上における国境をまたぐ特許侵害への対応として特許法の改正や、先端技術メタバース空間でのデザイン侵害を防ぐための意匠法の改正を検討する。
また、国連の世界知的所有権機関(WIPO)が毎年発表する「世界イノベーション(技術革新)指数」での順位を新たな目標に設定した。2035年までに再び4位以内を狙う。2024年はスイスが首位で、日本は13位と韓国(6位)や中国(11位)と大きな差が開く。
日本市場における時価総額にしめる無形資産の割合を2035年までに50%以上とすることも定めた。2020年時点の日本の無形資産割合は32%。米国市場の90%、中国市場の44%、韓国市場の57%と比べ、低い水準にある。
また、国際規格に関する戦略も決定。デジタルやAI、量子など8分野を「戦略領域」と定めた。日本企業の国際競争力を高めるため、国際機関でのポストの獲得や日本での国際会議の開催といった施策にも取り組む。