新潟水俣病が公式確認されてから31日で60年です。新潟市ではその歴史と教訓を伝える集いが開かれました。

新潟市中央区で開かれた新潟水俣病の歴史と教訓を伝えるつどいには被害者団体や国・原因企業の関係者などが出席しました。

【胎児性水俣病患者・古山知恵子さん】
「私をこんな体にしてどうしてくれるんですか。責任をとってください。」

【新潟水俣病阿賀野患者会皆川榮一副会長】
「水俣病の痛みや苦しみを和らげる特効薬もなくただ痛む身体を抱きながら生きている私たちの心中を思ってみてください」

10年ぶりに大臣が出席した式典で被害者団体が被害者全員の救済を求めるなか浅尾環境大臣は・・・

【浅尾慶一郎環境大臣】
「高度経済成長の中でこの新潟水俣病の発生を防ぐことができなかったという歴史的事実は60年経った今改めて重く受け止めなければならない」

こう話すのみで解決に向けた言及はありませんでした。

この式典の前に行われた被害者団体との懇談では

【新潟水俣病阿賀野患者会皆川榮一副会長】
「私たちが求めているのは、今、早期にどうやったら解決してくれるのかというそこなんですよ。そこを私は大臣の言葉で聞きたかったんです。」

被害者団体側が具体的な解決策の提示を求め声を荒らげる場面も。
しかし浅尾大臣は現行の公健法の運用を丁寧にに進めていくと繰り返し具体的な方策は示しませんでした。

【新潟水俣病阿賀野患者会皆川榮一副会長】
「全く私たちの主張してきたことは環境省には全く伝わっていないということを改めて感じた。あまり収穫がないというか残念でならない」

被害者団体は引き続き被害者の救済を国に求めていく方針です。

NST新潟総合テレビ
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