原発の廃炉作業などで発生する廃棄物のうち、人の健康に対する影響を無視できると確認された放射能レベルが極めて低い金属を「クリアランス金属」と呼びます。福井県内で廃炉作業が進む中、県は地元経済の活性化などを目的に、クリアランス金属をリサイクルして再利用につなげる新会社を夏頃に設立します。新会社設立を前に30日は、県や嶺南6市町、電力会社、金融機関といった関係者が集まり、技術協力や人材育成などについて連携協定を結びました。
 
敦賀市内で行われた締結式には、杉本知事や関西電力の森望社長、嶺南6市町や金融機関の代表者ら13人が出席しました。
 
県が中心となって進めているクリアランス金属の集中処理事業は、複数の原子力発電所から廃炉作業などによって発生する廃棄物の金属類を収集し、分別や除染、溶融などを1カ所で行う国内でも初めての事業です。
 
杉本達治知事は「地元は元請けに近い形で参入していく新しい産業を興す。電力事業者にとっては廃炉が円滑に進み、社会全体にとっては有効な金属を活用できる、三方良しの考え方で進めている」とあいさつ。
  
協定に基づいて今後、関係機関同士が技術協力や地元企業の参入促進、人材育成などに連携して取り組むことになりました。
 
新会社はこの夏に設立予定で、その後、施設の建設候補地となっている敦賀市浦底の地質調査や施設の詳細な設計などを行い、早くて6年後の操業開始を見込んでいます。

福井テレビ
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