初夏の味覚サクランボの季節がまもなく訪れます。秋田県内有数の産地・湯沢市三関地区の調査では、今シーズンは例年より実の付きが少なく収穫量が減る見込みです。それでも生産者は、おいしいサクランボを多くの人に届けようと努力を続けています。
県内有数のサクランボの産地・湯沢市三関地区で29日、収穫を前に地区の生産者などがサクランボの生育を確認しました。
調査では、1つの花芽に実がいくつついているかを調べます。
29日はJAこまち管内の5地区50カ所を調査した結果、佐藤錦は1.2個で、平年の1.8個を下回りました。
JAこまち桜桃部会の高橋信治部会長は「ことしは豊作の年でない気がする。春先の天候は心配していたが、その通りとなった」と不安をにじませます。
三関地区は開花の時期に雨や風に見舞われ、受粉作業を担うハチの活動が鈍くなったほか、例年よりも人工授粉が困難でした。
さらに、成長に欠かせない4月の日照時間は、平年の半分ほどの93.2時間にとどまりました。
高橋部会長は「温暖化というのがこれほど手ごわい相手だということを、ここ数年つくづく感じている。三関さくらんぼを待っているお客さんがたくさんいる。ことし実ってくれたものを大事に育てて、届けられるように頑張っていきたい」と意気込みます。
昨シーズンは暑さの影響などで出荷量が例年の半分以下の30トンに落ち込みましたが、JAこまちは今シーズン70トンの出荷を目指します。
サクランボの収穫は6月15日に始まります。